2025-03-03
令和7年4月1日から、官報は紙媒体の発行を廃止し、完全電子化される。これにより、官報の掲載情報は官報発行サイトに電子データとして掲載されることとなるが、インターネット環境が整っていない人のために「官報掲載事項記録書面」の交付が行われる。この交付には手数料が発生するが、その消費税の取扱いについて、国税庁は「官報の発行に関する法律に基づき国から委託を受けた受託者が行う書面等による提供等に係る手数料に関する消費税の取扱いについて」の文書回答(回答年月日:令和7年1月21日)を公表した。
国税庁は、官報掲載事項記録書面の交付手数料について、「行政手数料」に該当するため消費税は非課税であるとの見解を示した。この判断の根拠は、当該書面が消費税法上の「公文書」に該当するものであり、消費税法第6条第1項等の規定に基づいて行政手数料として扱われ、非課税とされるためである。
現在、官報は紙媒体の刊行物として、国立印刷局等での掲示や全国の官報販売所で販売されており、定期購読料には軽減税率(8%)、1部売りには標準税率(10%)が適用されている。これが電子化により、紙媒体による販売は終了し、官報発行サイトに電子データが掲載されることとなる。ただし、インターネット環境になく、官報発行サイトで官報を閲覧・ダウンロードすることができない利用者のために、当面の間、「官報掲載事項記録書面」(官報に掲載された情報を記録した書面)の交付を受けることができるとしており、この書面の交付手数料の消費税の取扱いが注目されていた。今回の国税庁の判断により、官報掲載事項記録書面の交付手数料だけでなく、光ディスクや電子メールによる提供(電磁的官報記録に係る情報)、さらには災害や通信障害時の「書面官報」(災害または通信障害時が発生した場合の書面による官報)についても、消費税は非課税とされることが明確になった。
官報の電子化に伴い、情報の取得方法が大きく変わるため、必要な手続きや料金について事前に確認しておくことが重要である。官報の交付手数料や最寄りの官報サービスセンターの情報は、内閣府のホームページで確認できる。
(参考)官報の電子化について
https://www.cao.go.jp/others/soumu/kanpo/about/kanpo_about.html
(参考)官報の発行に関する法律に基づき国から委託を受けた受託者が行う書面等による提供等に係る手数料に関する消費税の取扱いについて(照会)
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/shohi/250124/besshi.htm
(参考)書面等による提供等に係る手数料一覧
https://www.cao.go.jp/others/soumu/kanpo/pdf/kanpo_tesuryo.pdf
(参考)官報サービスセンターの公表について
https://www.cao.go.jp/others/soumu/kanpo/pdf/kanpo_sc.pdf