2025-03-10
令和7年2月20日、金融庁は「金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化について」公表した。
これまで、顧客が証券会社等との間で、株式や投資信託の売買などに関する金融商品取引契約を締結する場合には、証券会社等から、契約締結前、契約締結時、株式等の保有時等それぞれの場面に応じて、「上場有価証券等書面」や「取引残高報告書」などの書面による情報提供が行われることが原則となっていた。
近年、社会的にデジタルツールの活用が進んでいくなか、金融商品取引契約に係る情報の提供についても、顧客のデジタル・リテラシーを主体的に判断したうえで、デジタルツールを効果的に活用して、充実した内容を分かりやすく顧客に対して提供できるようにすることが重要であると考えられるため、金融庁では関係法令の改正を行い、金融商品取引契約に係る情報提供の媒体について、証券会社等が顧客のデジタル・リテラシーに応じて「書面」又は「デジタル」によることを選択できるよう、規定の整備・法改正を行った。
この制度は、令和7年4月1日から施行されることとなるが、これまで「書面」による情報提供を受けていた顧客が、引き続き「書面」での交付を希望する場合には、その旨を証券会社等に請求すれば、これまでどおり書面での情報提供を受けることができる。
日本証券業協会では、「証券業界における顧客交付書面のデジタル原則化に係る顧客周知について」(※1)や「書面交付のデジタル化対応に係る自主規制規則等の一部改正案に関するパブリックコメントの募集について」(※2)でデジタル原則を選択しようとする証券会社による顧客への伝達・告知について説明しており、本年5月を目途に自主規則の取りまとめと施行を予定している。
なお、証券会社等によっては、「デジタル」での情報提供に対応していないケースもあるため、情報提供に係る具体的な取り扱いについては、取引のある証券会社等からの案内を十分に確認することが必要となる。
(参考)金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化について
https://www.fsa.go.jp/policy/shodeji/index.html
証券業界における顧客交付書面のデジタル原則化に係る顧客周知について
書面交付のデジタル化対応に係る自主規制規則等の一部改正案に関するパブリックコメントの募集について