グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム報告書

消費者庁は、2月20日「グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム報告書」を公表した。
 
気候変動などの地球環境問題を始めとする社会課題に対する関心が一定程度高まってはいるが、人や社会、環境に配慮した消費行動を実践しているという消費者はいまだ一部にとどまっている。
 
消費者庁では、脱炭素社会・循環経済の実現といった社会課題の解決に向けて推進すべき取組として、国民のライフスタイルの転換を促進することなどが盛り込まれた「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定)を踏まえて、消費者が自身の消費生活において、グリーン志向の消費行動(環境に配慮された商品・サービスを理解し、意識的に選好するなどの行動)を積極的に実践するよう促していくため、現状どのような課題が存在するのかについて分析を行い、消費者の行動変容を促していくための具体的な取組の方向性を明らかにすることを目的に、「グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム」を開催し、(1)消費者による環境に配慮した消費行動の現状と課題の分析、(2)グリーン志向の消費行動を促すための取組の方向性・具体的な方策について検討を行い、報告書を公表した。
 
この報告書では、(1)消費者の環境意識や行動の現状とその背景、(2)消費者の行動変容を起こすために必要な視点について検討が行われ、幅広い主体(行政、事業者、団体、メディア等)の連携による、個別の企業や商品・サービスという枠を超えた情報発信(消費者の適切な危機感・問題意識の醸成)、認証ラベル・マークに関する情報の整理・提供等を通じて、一部の意欲的な消賈者が率先して実践する取組から全ての消費者が各々の日常で実践していくものとすることが望ましいとしている。
 
(1)消費者の環境意識や行動の現状とその背景では、
・消費者の環境意識・行動の現状
・危機感の欠如と自分事としての認識の不足
・具体的な行動の選択肢についての認知不足
・環境配慮を商品・サービスの価値として伝えることの難しさ
 
が分析され、
 
(2)消費者の行動変容を起こすために必要な視点では、
・適切な危機感・問題意識の共有を通じた自分事化
・社会的・経済的・心理的インセンティブの設計による後押し
 ①消費者の関心を刺激する働き掛け
 ②貢献度の見える化
 ③消費者が選択しやすい売場環境や動線づくり
 ④認証ラベル・マークの活用
 ⑤心理的インセンティブによる習慣化
 
が検討され、消費者の欲望を刺激する働きかけや工夫の必要性、自身の行動の貢献度や結果につながるプロセスを分かりやすく見える化することや簡単・快適にグリーン志向の消費行動を実践できる売場環境や動線づくりの活用等や取組の深化が期待されている。
 
(参考)グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム