2017-09-07
金融庁がこのほど発表したつみたてNISAの対象商品に係る事前相談の結果によると、対象となる投資信託が当初の約50本から120本になる見込みであることが明らかになった。つみたてNISAは、一定の要件を満たす投信・ETF(上場している投資信託)を対象としており、金融機関は、当該要件を満たす具体的な商品を金融庁に届け出ることとされている(正式な届出日は、10月2日(月))。
10月からは、つみたてNISAの口座開設が可能となるが、金融機関からは、「口座開設の申込みを受けるに当たり、具体的にどの商品を購入できそうか、必要な情報を顧客に提供したい」との要望があったことを踏まえ、事前相談を行ってきた。このほど、7月末までに相談があった商品について取りまとめた結果、公募投信114本、ETF6本(合計120本)について、要件を満たすことを確認した。
公募投信114本の内訳は、「従来より要件を満たしていた既存の商品」41本、「新たに組成された商品」38本、「DC専用から一般販売へ転用される商品」19本、「手数料の引下げなど商品性の見直しを行った商品」16本。商品の内容としては、特に、国内外の複数の資産に分散投資する公募投信が、昨年11月末時点で機械的に当てはめて該当していた11本から47本に大幅に増加するなど、分散投資の傾向が強まっている。
また、信託報酬については、その平均値は告示の要件(0.5%等)より相当低い水準となっている。金融庁では、今回事前に相談のあった具体的な商品の状況も踏まえ、今後、告示を見直して対象となる商品を広げることについても検討するという。具体的な対象商品については、10月2日の正式な届出受理後、金融庁ウェブサイトにおいて公表する予定となっている。
つみたてNISAは、現行NISA制度との選択制で、2018年1月から投資が開始される。つみたてNISAの制度設計において、家計は、長期間(非課税で保有できる期間は20年間)、保有し続けることを念頭に投資信託を選択し、毎月、少額ずつ積立方式で購入することが想定されており、投資初心者の安定的な資産形成を支援するという制度の趣旨から、対象となる投資商品の要件は、よりリスクの少ない商品に絞り込むものとなっている。