2017-10-18
中間申告義務のない直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含む年税額)が60万円以下の事業者のうち、自主的に中間申告を行う意思がある事業者については、任意の中間申告(年1回・半期)を可能とする制度が設けられている。年1回だと納める消費税額が多く、資金繰りに困って滞納してしまう事業者もいることから、自主的に中間申告・納付ができる制度が設けられているわけだが、留意事項も少なくない。
まず、任意の中間申告制度を適用しようとする場合、中間申告書を提出しようとする課税期間の開始日から6ヵ月以内に、「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を税務署長に提出する必要がある。例えば、2017年10月1日開始事業年度の場合、2018年3月31日までとなる。また、任意の中間申告といえども、中間申告書を提出したものの、納期限までに納付されない場合には、延滞税が課される場合があるので留意したい。
さらに、中間申告書をその申告対象期間末日の翌日から2ヵ月以内の提出期限までに提出しなかった場合には、中間申告対象期間の末日に、「任意の中間申告制度の適用をやめようとする旨」を記載した届出書があったものとみなされる。つまり、中間納付をすることができなくなってしまう。消費税を分納したい場合は、必ず期日までに中間申告書の提出を済ませなければならないわけだ。
直前の課税期間の確定消費税額が60万円を超える中間申告義務のある事業者が中間申告書をその提出期限までに提出しない場合には、中間申告書の提出があったものとみなすとされているが、任意の中間申告制度の場合には、中間申告書の提出があったものとはみなされないので、中間納付することができないことになる。消費税納付のための資金繰りに苦しむ事業者にとって、中間申告できるのは便利な制度だが、留意点には十分気を付けたい。
なお、消費税の納付方法は、金融機関・所轄税務署の窓口での納付を始め、e-Taxを使って預貯金口座からの振替、コンビニの窓口で納付、預貯金口座からの振替など色々あるが、注意したいのは振替納税だ。振替納税の場合、預貯金口座から消費税額が引き落とされるのは法定納期限の1ヵ月後。翌月の口座に必要金額がない事態にならないように口座振替日を把握し、消費税額を期日までに指定した口座に準備する必要がある。