年末調整、給与所得控除額の改正などに注意!!

今年も年末調整を行う時期が近づいてきた。1年間の給与収入が2000万円以下の給与所得者は、通常、年末調整が行われる。年末調整の基本的な仕組みは昨年と変わらないが、留意事項がある。それは、(1)給与所得控除額の改正、(2)復興特別所得税の計算、(3)「給与支払事務所等の移転届出書」について、移転後の給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長への届出が不要とされたこと、の3点だ。

給与所得控除額の改正は、2017年分の所得税の計算において、給与収入1000万円超の場合の給与所得控除額は220万円が上限とされたこと。この改正に伴い、「給与所得の源泉徴収税額表」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」及び「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が改正されている。2017年分の年末調整の際には、「2017年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使う必要がある。

また、所得税の源泉徴収義務者は、2013年1月1日から2037年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税を併せて徴収し、その復興特別所得税(所得税額の2.1%相当額)を源泉所得税と併せて国に納付しなければならないとされている。このため、年末調整において年税額を計算する際にも、復興特別所得税を含めた年税額(「年調年税額」)を算出する必要がある。

年末調整を行うためには、12月分給与の支払日の前日までに従業員に色々な書類を提出してもらう必要がある。まず、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「配偶者特別控除申告書」がある。また、2017年中に支払った生命保険料や地震保険料等を申告する「給与所得者の保険料控除申告書」では、生損保会社が発行する保険料を支払ったことを証明する書類の添付が必要になるので申告書と併せて提出してもらうことになる。

さらに、住宅ローン控除の適用が2年目以降の従業員は、その税額控除を年末調整で行うことができるが、必要添付書類が2点ある。それは、従業員が住む所轄税務署長が発行した「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」と金融機関等が発行した「年末残高等証明書」だ。なお、2016年分から住宅借入金等特別控除申告書に給与の支払者の法人番号を記載する必要がある(個人事業者は除く)ので留意したい。

国税庁の「年末調整がよくわかるページ」は↓
http://www.nta.go.jp/gensen/nencho/index.htm