紙巻きたばこは今年10月から4年かけて1本3円増税

たばこ税が8年ぶりに増税となる。2018年度税制改正大綱によると、紙巻きたばこの税率を2018年10月から4年程度かけて1本当たり3円増税する。現行1000本につき1万1424円を1万4424円に3000円、つまり1本当たり3円引き上げる。この改正は、2018年10月1日から実施するが、激変緩和等や予見可能性への配慮から、税率改正の実施時期について三段階で実施する経過措置を設ける。

第一段階は2018年10月1日から1本当たり1円引き上げ、消費税率が10%に引き上げられる2019年は据え置き、第二段階は2020年10月1日から1本当たり1円、第三段階は2021年10月1日から1本当たり1円それぞれ引き上げる。この結果、紙巻きたばこの税率は1本当たり3円、1箱当たり60円の増税となる。例えば、JTが発売する「メビウスファミリア」は現在1箱440円だが、2021年度には500円となる見込みだ。

また、臭いが少なく人気が高まっている加熱式たばこも増税する。加熱式たばこは、たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内の液体(リキッド)を電気加熱させ、発生する蒸気(ベイパー)を楽しむ製品だ。現行の課税方法は、重量1グラムを紙巻きたばこ1本と換算するため、「プルーム・テック」などの主力3製品で2~15グラムの加熱式たばこは、小売価格は紙巻きたばことほぼ同じだが、少ない税額で済んでいる。

そこで、紙巻きたばこの本数への換算方法を見直し、(1)重量0.4グラムをもって紙巻きたばこの0.5本に換算、(2)紙巻きたばこ1本当たりの平均小売価格をもって、加熱式たばこの小売価格を紙巻きたばこの0.5本に換算、といった新たな仕組みを導入して、紙巻きたばこの7~9割の税負担になるようにする。この改正も2018年10月1日から実施するが、激変緩和等の観点から、2022年10月1日まで5段階かけて増税する。

なお、2015年度税制改正において、「紙巻たばこ旧三級品」(わかば、エコー、しんせい、ゴールデンバット、ウルマ、バイオレットの6銘柄)については、2018年4月1日から特例税率が廃止され、たばこ1本当たり1.5円引き上げられるが、この税率の経過措置について、2018年4月1日から2019年3月31日までの間の税率は、同年9月30日まで適用されることとされている。