税理士試験の受験手数料を1科目4000円に引上げ

2000年度以来改正されていなかった税理士試験の受験手数料が、2018年度税制改正において見直され、受験科目が1科目の場合は4000円(現行3500円)に、受験科目が2科目以上の場合は1科目追加ごとに加算する額が1500円(現行1000円)に引き上げられる見込みとなった。5科目を一度に受験すると、現行の7500円から1万円となる。2018年度税制改正大綱に盛り込まれたが、大綱には適用期日は明記されていない。

税理士試験の受験手数料に関しては、財務省が2013年度予算執行調査で取り上げた税理士試験に必要な経費の調査の結果、2011、2012年度は受験手数料収入額を試験実施経費が上回る状況にあったことから、今後、経費の効率化を図ってもなお経費が受験手数料を上回ることとなった場合には、受験手数料を定めた税理士法9条の「実費を勘案して政令で定める」に基づき受験手数料改正の検討を行うべきであると改善の方向性を示していた。

その後、2013年度調査のフォローアップ調査として実施され2016年1月に公表された2015年度調査結果では、試験会場借料の改善などにより経費が受験手数料を下回るなど効率化が図られていた。ただし、税理士試験の受験者数は毎年減り続けており、2017年度も4万1242人と前年度に比べ6.4%(2802人)減っている。5年前の2013年度(5万5332人)と比べると4分の3(約75%)まで減少している。

税理士試験の受験者数の減少に連動して受験手数料収入も減少が続いていることから、受験手数料の見直しに踏み切ったものと思われる。上記のように、財務省では、経費の効率化を図っても、なお経費が受験手数料収入を上回ることになった場合には、受験手数料改正の検討を行うべきと指摘していたが、引上げには税理士法施行令の改正が必要になるので、2018年度税制改正大綱に受験手数料引上げが盛り込まれたもの。