2018-01-30
昨年の訪日外国人旅行消費額が初めて4兆円を突破するなど観光先進国への実現に向けて順調に進んでいるが、2018年度税制改正では外国人旅行者向け消費税免税制度のさらなる見直しが行われる。具体的には、免税販売手続きの電子化と免税販売の対象となる下限額の判定の見直しが盛り込まれている。前者は、2020年4月1日以後、後者は2018年7月1日以後に行われる課税資産の譲渡等から適用される。
免税販売手続きについては、輸出物品販売場を経営する事業者が、外国人旅行者から旅券等の提示を受け、その購入の事実及び氏名その他の旅券等に記載された情報に係る電磁的記録を、電子情報処理組織を使用して、遅滞なく国税庁長官に提供する方法とする。ただし、国税庁長官に提供した電磁的記録(紙で出力したものを含む)をその事業者が保存しない場合には、その販売について、外国人旅行者向け消費税免税制度は適用しない。
現行制度では、外国人旅行者は免税店において旅券に購入記録票の貼付け、割印を受けることが免税販売の要件とされているが、免税販売情報の電磁的記録による提出に変更するとともに、“購入記録票の税関への提出義務”を“税関での旅券の提示義務”に変更する。ただし、2020年4月1日から2021年9月30日までの間については、現行の免税販売手続きを引き続き適用することもできる。
免税販売手続きの電子化に伴い、輸出物品販売場における現行の、(1)外国人旅行者がその所持する旅券等に購入記録票の貼付けを受け、その旅券等との間に割印を受ける手続き、(2)外国人旅行者による輸出物品販売場を経営する事業者に対する購入者誓約書及び旅券等の写しの提出並びにその事業者によるその購入者誓約書及び旅券等の写しの保存義務、(3)外国人旅行者による税関長への購入記録票の提出義務、の手続き等は廃止する。
一方、現行制度における免税販売の対象は、食料品や化粧品などの「消耗品」と家電製品や時計・宝飾品、民芸品などの「一般物品」ともに1日の販売合計金額がそれぞれ5千円以上とされ、消耗品は上限が50万円以下とされるとともに、指定方法による包装が義務付けられているが、一般物品について、特殊包装を行う場合には、その一般物品と消耗品の販売金額を合計して、免税販売の対象となる下限額を判定できるようにする。