2018年度国民負担率は0.2ポイント減の42.5%の見通し

財務省は23日、国民負担率が、2018年度予算では2017年度実績見込みから0.2ポイント低下の42.5%となるとの見通しを発表した。景況感の回復などで国民所得が増えることから負担率を押し下げた。国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。18年度見通しの内訳は、国税15.2%、地方税9.7%で租税負担率が24.9%、社会保障負担率は17.6%。

2017年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.1ポイント減(国税:横ばい、地方税:0.1ポイント減)、社会保障負担率は0.1ポイント減。社会保障負担率は、この統計を開始した1970年度以降では最高だった2016・17年度(17.5%)をわずかに下回る。国民負担率を諸外国(15年実績)と比べた場合、アメリカ(33.3%)よりは高いが、フランス(67.1%)、スウェーデン(56.9%)、ドイツ(53.2%)、イギリス(46.5%)などよりは低い。

真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2018年度の国民所得(17年度に比べ11万2千円増の414万1千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から0.5ポイント減の6.2%となる見通し。この結果、18年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、17年度実績見込みからは0.7ポイント減の48.7%と、かろうじて50%を下回る。

この「潜在的な国民負担率」は、2013年度以降6年連続で50%を下回る見通し。なお、租税負担率は、戦後は40年代半ばの混乱期を除いて20%前後で推移。しかし76年度以降、次第に上昇し始め、89・90年度の27.7%をピークに、その後はほぼ20%台前半で推移。OECD加盟35ヵ国との15年実績での比較では、比較可能な34ヵ国中、日本(25.4%)はメキシコ(17.9%)、チリ(22.1%)、アメリカ(25.0%)に次ぐ低い水準となる。

また、2018年度見通しの国民負担率42.5%は、調査開始以来、過去最高だった16年度の42.8%を0.3ポイント下回るものの、6年連続で40%台の高水準の数字となる見込みだ。OECD加盟35ヵ国と15年実績で比較した場合、日本(42.6%)は、比較可能な34ヵ国のなかで下から7番目に低い。ちなみに、最高はルクセンブルグの87.2%、最低はメキシコの20.2%(租税負担率も最低の17.9%)だった。

「国民負担率(対国民所得比)の推移」は↓
http://www.mof.go.jp/budget/topics/futanritsu/sy3002a.pdf