2018-03-02
2018年度税制改正大綱には、税理士の登録申請の際に必要な戸籍抄本の提出が、試験申込時から登録までの間に氏名等の変更がある申請者を除き不要となる措置が盛り込まれていた。税理士法施行規則に、税理士の登録申請書に添付する書類として、(1)申請者の写真、(2)履歴書、(3)住民票の写し等とともに戸籍抄本が規定されているため、同規則を改正し、戸籍抄本を添付書類から削除することになる。
提出不要が盛り込まれた背景には、国家資格や事業の許可等の申請等の場合の申請手続きの負担軽減を推進する政府の方針がある。1997年2月10日に閣議決定された「申請負担軽減対策」において、「添付書類は、申請書等の記載事項の真実性を裏付けるため及び諾否等の判断を行うために必要不可欠のものに限る」とされ、国民負担の軽減を推進するとされていることから、不断の見直しが必要とされていた。
これを受け戸籍抄本の提出を中心に申請手続きの見直しに取り組んできた総務省が、2017年3月に公表した「申請手続等の見直しに関する調査結果報告書」では、税理士の登録申請について、現在、戸籍抄本に記載されている3情報(氏名・生年月日・本籍地)によって本人確認をしているが、申請書に添付する書類のひとつである本籍地の市区町村が発行する身分証明書にも本人確認のための3情報が記載されていると指摘。
これらの確認を身分証明書で行っても特段の支障は生じないし、また、試験申込時等から氏名等の変更がある申請者は少数であり、大部分の申請者については、必ずしも戸籍抄本は必要ないとの考えを示した。したがって、申請者の負担の軽減を図る観点から、税理士の登録の申請について、戸籍抄本の提出を不要とし、試験申込時等から氏名等の変更がある申請者にのみ戸籍抄本の提出を求める措置を講ずる必要があるとしていた。