2016年度分の赤字法人割合は7年連続減少の63.5%に

国税庁が3月30日に公表した「2016年度分会社標本調査」結果によると、2016年度分の法人数は267万2033社で、前年度より1.1%増と4年連続で増加した。このうち、連結親法人は1645社で同3.9%増、連結子法人は1万1908社で同4.3%増。連結子法人を除いた266万125社のうち、赤字法人は168万9427社で、赤字法人割合は前年度比0.8ポイント減の63.5%となり7年連続で減少したが、高水準であることに変わりない。

業種別(連結法人を除く)の赤字法人割合をみると、「出版印刷業」(75.8%)が最も高く、次いで、「繊維工業」(74.5%)、「料理飲食旅館業」(73.8%)、「小売業」(71.1%)、「食料品製造業」(70.9%)と続き、これらの業種は赤字法人割合が7割を超えた。他方、低い順にみると、「運輸通信公益事業」(57.5%)、「建設業」(57.6%)、「不動産業」(60.1%)などとなっている。なお、連結法人の赤字法人割合は36.7%とかなり低い。

2016年度分の営業収入金額は、前年度に比べ0.1%増の1450兆8100億円と増加に転じた。黒字法人の営業収入金額は同2.3%増の1144兆4408億円と増加に転じ、所得金額は同3.9%増の59兆4612億円で過去最大となり、7年連続の増加。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は、前年から0.1ポイント上昇の5.2%となった。黒字法人について、業種別の所得率をみると、「鉱業」(11.1%)、「不動産業」(10.4%)などが高い。

法人税額は10兆4676億円で、前年度より▲0.3%減少し、7年ぶりに減少に転じた。また、所得税額控除は3兆1733億円で、同▲18.2%減と7年ぶりの減少、外国税額控除は5104億円で、同▲7.0%減と2年連続で減少した。繰越欠損金の当期控除額は7兆5951億円で、同▲7.4%減と3年連続の減少、翌期繰越額は68兆4167億円で、同4.7%増となり、2年連続の増加となったが、低水準が続いている。

一方、2017年3月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などに使った交際費は、前年度に比べ4.1%増の3兆6270億円と5年連続で増加したが、過去最高だった1992年分の6兆2078億円に比べほぼ半減している。このうち、税法上損金に算入されなかった金額(損金不算入額)は同5.7%増の9578億円と2年連続の増加となり、損金不算入割合は同0.4ポイント増加の26.4%となったが、3年連続で20%台の低い水準だった。

同標本調査結果の概要は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/kaisha_hyohon/kaisyahyohon_h28.pdf