日税連、電子申告への要望事項「e-Tax編」公表

日本税理士会連合会は、計20事項からなる電子申告に関する要望事項「e-Tax編」を公表した。「特に実現を求めるもの」10事項、「早期に実現を求めるもの」8事項、「中長期的に実現を求めるもの」2事項。電子申告を行える者は納税者本人もしくは税理士等に限られていることから、税理士の電子申告普及における影響力は極めて高い。今年度も、実務家である税理士の視点とともに納税者の視点から要望事項を取りまとめたとしている。 「特に実現を求めるもの」では、まず、2016年4月から一部手続きについて添付書類等のPDF送信が開始されたが、「添付書類のイメージデータによる送信について改善を図ること」を掲げた。具体的には、(1)イメージデータ送信のファイル形式を追加すること。イメージデータ送信のファイル形式は、PDFのみの対応だが、他のファイル形式の追加を検討すること。(2)イメージデータにより提出可能な添付書類の範囲を拡大すること。 税理士法第33 条の2関係の書面に添付する書類(例えば、相続税のチェックリスト等)についても、イメージデータにより提出可能とすること。(3)普通法人以外の法人の収支計算書については、イメージデータによる送信を可能とすること。公益法人、協同組合、医療法人など普通法人以外の決算書、収支計算書等については、法人がExcel等で作成していることから、イメージデータによる送信を可能とすること、を要望している。 「早期に実現を求めるもの」では、更なる電子申告の利用率向上のためには、電子申告の利用者に対する継続的かつ効果的なインセンティブを組み合わせて実施していくことが必要との考えを示し、昨年に引き続き「電子申告利用者に対して、効果的なインセンティブを実施すること」を求めた。具体的には、(1)恒久的な税額控除、(2)電子申告利用による申告期限の延長、(3)電子申告利用者に対する不利益の回避策の3点を掲げている。 (1)の恒久的な税額控除については、「今後も電子申告の利用率を伸ばしていくためには、利用者にとって動機付けとなる施策が必要であり、最も有効な施策は、電子申告を利用した納税者に対して『電子申告控除』(全ての税目において税額控除)等の金銭的なインセンティブを付与すること。また、1ヵ月以内の期限後申告に係る加算税の免除、もしくはダイレクト納付利用者の納付遅延に係る延滞税の免除も効果的」との要望理由を示している。 また、(3)の電子申告利用者に対する不利益の回避策については、「上記(1)、(2)のほかに、電子申告を利用する場合の不利益の回避策も効果的と考えられる。例えば、機器の故障やシステム障害等により期限内申告ができなかった場合には、一定の要件(納税者の期限内納付、過去1年間に遅延がないこと等)のもと期限後申告としないといった施策は、納税者に とって電子申告を開始(継続)する大きなインセンティブとなる」としている。 日税連の「電子申告に関する要望事項(e-Tax編)」は↓ http://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/nichizeiren/proposal/taxation/H28e-taxyoubou.pdf