5月27日・6月10日に閉庁日の集中電話催告を実施

各国税局(所)におかれた集中電話催告センター室(納税コールセンター)では、国税を納期限までに納付していない納税者に対して、所轄の税務署に代わり国税局(所)の職員が電話や文書による納税催告を行っている。国税庁はこのほど、同センター室において、5月27日・6月10日の日曜日の両日に、閉庁日の電話催告を実施することを明らかにした。納税コールセンターや税務署は、通常、土・日曜日及び祝日は閉庁している。

国税の滞納残高は、1998年度に2兆8149億円までに達したが、1999年度以降18年連続で減少し、昨年3月末時点での滞納残高は8971億円まで減少。昨年3月までの1年間(2016年度)に発生した新規滞納額も6221億円と、最も新規滞納発生額の多かった1992年度(1兆8903億円)の約33%まで減少。国税庁が、新規滞納の未然防止、大口・悪質事案や処理困難事案を中心に厳正・的確な滞納整理を実施したことが功を奏している。

こうした滞納整理の一端を担っている集中電話催告システムは、徴収システムから各国税局の集中電話催告センター室に送られてくる滞納者情報を基に、自動で滞納者に電話をかけ、滞納者が応答した場合には、オペレーターが滞納者情報を見ながら電話催告を行うことができる仕組み。少額滞納者を対象に2002年度に東京・大阪の両国税局に初めて導入され、2004年までには残りの10国税局(所)に設置が完了し、稼働させている。

また、2019年12月には国税庁の「集中電話催告システム」のシステム統合をする予定だ。現状は、国税庁事務管理センターの徴収システムと催告システムのサーバ間でデータ連絡をした滞納者情報を、国税庁ネットワークにより集中電話催告センター室のサーバに送信している。徴収システムと催告システムは別々に構築されているためデータ連携にタイムラグがあることから、この徴収システムと催告システムを統合する。

統合により、事務管理センターのサーバと集中電話催告センター室のサーバ・専用端末が削減され、運用経費(機器の借料等)が年間で約3.6億円削減される見込み。また、徴収システムと催告システム間の日次処理による夜間データ連絡が廃止され、リアルタイムな情報連携が可能となるため、税務署と集中電話催告センター室間のメール・FAXによる連絡が不要となるなど、事務量が年間約10万時間削減される見込みという。