国税庁、「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況を公表

国税庁はこのほど、「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況を公表した。将来像は、情報システムの高度化、外部機関の協力を前提として、現時点で考えられる税務行政の将来のイメージを示したもの。今回は、2017年6月の「税務行政の将来像」の公表から約1年が経過したことを踏まえ、これまでの間に具体的に実現した取組みを紹介するほか、併せて、これまでの検討の中で、施策のイメージが具体化したものを紹介している。

将来像は、「納税者の利便性の向上(スムーズ・スピーディ)」と「課税・徴収の効率化・高度化(インテリジェント)」を柱に、その実現に向けては、AI技術等のICTを活用しながら、段階的に取り組むこととしている。「納税者の利便性の向上」については、個人向け、法人向けの申告手続きのデジタル化の推進や納付手続きのデジタル化の推進などの最近の取組みが紹介されている。

例えば、個人向けでは、利用者の多い一般的な給与所得者の医療費控除又はふるさと納税等による還付申告を対象に、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」にスマートフォン・タブレット専用画面を提供するため、システムを開発(2019年1月導入予定)や、対面による本人確認に基づき事前に税務署長が通知したID・パスワードによるe-Taxの利用を可能にすること(2019年1月導入予定)などがある。

法人向けでは、法人の電子申告で、代表者の電子署名のみで提出可能(経理責任者の電子署名は不要)に(2018年4月~)や、イメージデータで送信された添付書類の紙原本の保存不要化(同)、法人税申告書別表のデータ形式の柔軟化(2019年4月~)、法人税の電子申告により財務諸表が提出された場合には、法人事業税の申告での財務諸表の提出を不要にする国・地方を通じた財務諸表の提出先の一元化(2020年4月~)などがある。

一方、「課税・徴収の効率化・高度化」では、調査・徴収事務でのICT・AI等活用に向け、現在、各種資料情報の管理システムの再構築が進められている(2020年以降導入予定)。具体的には、金地金等の調書・国外送金等調書などの取引情報や、資本(株主)情報などの属性・グループ情報、海外金融口座情報などの諸外国情報を、マイナンバーや法人番号をキーに一元的に管理し、データによる資料情報を機動的・多角的に分析する。

この件については↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/syouraizou/index.htm