2018-07-05
金融庁が発表した「NISA口座の利用状況調査」では、2018年1~3月に開設されたつみたてNISAの口座数は約51万口座で、NISA口座数全体の増加に大きく寄与したことが分かった。つみたてNISAは、年間投資上限額は40万円と一般NISA(120万円)の3分の1だが、投資した金融商品の売却益や配当の非課税期間は20年(2018~2037年)と一般NISAの4倍に延びており、少額からの長期間の積立投資を促す狙いがある。
同調査は、一般NISA取扱全金融機関691法人、つみたてNISA取扱全金融機関533法人が対象。NISA(一般・つみたて)の総口座数は、2018年3月末時点で1167万9355口座(2017年3月末時点から、約91万口座、8.4%増)、うち本年1月から開始したつみたてNISAの口座数は50万7462口座。総買付額は、13兆9398億9223万円(同約3兆3929億円、32.2%増)、うちつみたてNISAの買付額は110億9681万円だった。
つみたてNISA口座開設者の傾向をみると、一般NISAと比べ、20代~40代による口座開設の割合が多いことが特徴。一般NISAの口座開設者は、60歳代が23%で最多、次いで70歳代が20%で、20歳代~40歳代の口座開設者は計約3割(29.3%)に過ぎない。一方、つみたてNISAの口座開設者は、40歳代が26%で最多、次いで30歳代が24%など、20歳代~40歳代が6割強(63.9%)を占めている。
また、つみたてNISAの新規口座開設者(66%)と、一般NISA(非稼働)からの切換え(11%)を合計すると約8割にのぼり、つみたてNISAの開始を契機に、新たに投資を行う層が広がりつつある。つみたてNISAにおける毎月の積立投資金額は、限度額(3万円超)までの利用顧客が多い金融機関のほか、1万円以下の少額での利用顧客が多い金融機関も見られ、少額からの積立投資を含めて、つみたてNISAが有効に活用されている。
なお、ジュニアNISA取扱全金融機関339法人を対象とした調査結果によると、2018年3月末時点のジュニア口座数は26万9723口座(2017年12月末時点から、約1.2万口座、4.8%増)、その買付額は855億6329万円(同約190億円、28.5%増)。2016年1月からスタートしたジュニアNISAは、祖父母や両親が子や孫のために金融機関に専用口座(未成年者口座)を開設して投資する場合、年間80万円の非課税枠を設ける制度。