税理士試験受験申込者数は5年前の約77%まで減少

税理士試験は、税理士法に基づき、1951(昭和26)年から毎年1回、国税庁設置の国税審議会が実施する国家試験だが、その受験申込者数の減少が続いている。来月7日から3日間行われる2018年度の税理士試験が近づいてきたが、国税庁がこのほど公表した「2018年度(第68回)税理士試験受験申込者数」によると、申込者数は3万8525人で前年度に比べ6.6%(2717人)減と今年も前年割れとなったことが分かった。

税理士試験受験者数は、2011年度に6万人の大台を割って以降、6年前の2013年度に5万5332人だったが、翌2014年度は4万9876人と5万人台も割り、その後、2015年度4万7145人、2016年度4万4044人、2017年度4万1242人と推移。今回も前年度に比べて6.6%減少、5年前と比べ約77%まで減少し、4万人を割った。また、科目別受験申込者総数も前年度比7.9%減少の5万8400人となっている。

科目別の受験申込者数をみると、最も多いのは今年も「簿記論」で1万6323人だったが、前年度を下回り、全ての科目で受験申込者数が前年度を下回った。簿記論以下は、「財務諸表論」1万2639人、「消費税法」1万519人、「法人税法」6122人、「相続税法」4114人、「国税徴収法」2788人、「所得税法」2373人、「固定資産税」1325人、「酒税法」887人、「住民税」692人と続き、最も少ないのが「事業税」の618人だった。

一方、毎年減り続ける受験申込者数の減少に連動して受験手数料収入も減少が続いている状況を背景に、2018年度税制改正大綱に受験手数料引上げが盛り込まれ、2018年度試験から適用されている。受験手数料の見直しは2000年度以来18年ぶり。見直しにより、受験科目が1科目の場合は4000円(改正前3500円)に、受験科目が2科目以上の場合は1科目追加ごとに加算する額が1500円(改正前1000円)に引き上げられている。

なお、2018年度の税理士試験は、8月7日~8月9日の3日間、全国12の受験地で行われ、初日は簿記論・財務諸表論・消費税法又は酒税法、2日目は法人税法・相続税法・所得税法、3日目は固定資産税・国税徴収法・住民税又は事業税の各科目を実施する。合格発表は12月14日。ちなみに、昨年の第67回試験では、3万2974人が受験し、合格科目が5科目に達した795人の税理士が誕生している。

2018年度税理士試験の受験申込者数は↓
http://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikenkekka/68/moshikomi.htm