2018-09-05
厚生労働省はこのほど、中央省庁が雇用する障害者数が水増しされていた問題で、国の行政機関が雇用する障害者数(2017年6月1日時点)の再点検結果を公表した。それによると、国の行政機関全体では、再点検の結果、障害者雇用数は点検前の6867.5人から点検後は3407.5人へと3460人減少し、雇用率は同2.49%から1.19%に1.30ポイントも下がった。つまり、中央省庁全体の障害者雇用数は3460人も水増しされていたことになる。
各省庁別にみると、誤り(障害者雇用数の減少)が最も多かったのは「国税庁」の1022.5人(再点検前1411.5人、再点検後389人)で1000人超の水増し、次いで「国土交通省」の603.5人(再点検前890人、再点検後286.5人)、「法務省」の539.5人(再点検前802人、再点検後262.5人)が続いている。ただし、これらの省庁は、法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数自体も多いため、その影響もあるようだ。
国の行政機関の法定雇用率は、2017年6月1日時点で2.3%。再点検前は個人情報保護委員会と観光庁を除く全ての省庁で法定雇用率を満たしていたが、再点検後は厚生労働省や海上保安庁、金融庁、内閣法制局、警察庁、原子力規制委員会の6省庁を除き、33行政機関中27機関と約8割の行政機関が法定雇用率に達していなかった(国税庁は点検前2.47%、点検後0.67%)。
民間企業は2017年6月時点では法定雇用率が2.0%と定められ、同年の雇用率は1.97%だった。半数の企業は達成できず、ペナルティの対象となっている。政府は、この状況を踏まえ、関係府省連絡会議を開き、なぜこのような事態になったか誤りの検証をするとともに法定雇用率達成に向けた取組みを検討する。10月中を目途に2~3回会議を開催し、方向性を取りまとめる予定という。
同再点検結果は↓
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000347573.pdf