法人の黒字申告割合は34.2%と7年連続の上昇

今年6月末現在の法人数は前年度から0.9%増の310万6千法人で、うち2017年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.2%増の289万6千法人だったことが、国税庁が12日に発表した2017事務年度の法人税等の申告事績で分かった。その申告所得金額は同11.5%増の70兆7677億円と8年連続で増加し過去最高額となり、申告税額の総額も同11.0%増の12兆4730億円と増加に転じた。

法人の黒字申告件数は99万件(前年対比4.1%増)で、黒字申告割合は前年度を1.0ポイント上回る34.2%となり、7年連続で上昇した。黒字申告割合は2014年度以降4年連続で30%台となった。もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分前後の低い数字が、1993年度から25年も続いていることになり、法人の黒字申告割合はいまだ低水準が続いている。

黒字法人の申告1件あたりでは前年度に比べて7.1%増の7150万円となった。一方で、申告欠損金額は同15.1%増の13兆7101億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同15.3%増の719万円と、ともに増加した。企業業績が全体では改善される中で業績が二極化傾向であることがうかがえる。ちなみに、申告欠損金額のピークは1999年度の33兆2791億円だったので、2017年度は約41%まで減少したことになる。

なお、今年6月末現在の連結法人数は、親法人が1821法人(前年対比2.6%増)、子法人が1万3442法人(同6.0%増)の計1万5263法人(同5.6%増)だった。このうち、7月末までに申告した親法人は1760件(同4.7%増)で、その黒字申告割合は前年度に比べ3.1ポイント上昇の66.3%。申告所得金額は同29.4%増の14兆1789億円と大幅に増加、申告欠損金額は同▲31.5%減の9064億円と大幅に減少する結果となった。

連結納税での申告書に添付された個々の親法人・子法人の決算内容の届出書をみると、届出件数1万4590件(前年対比5.4%増)のうち、黒字分は67.8%にあたる9899件(同7.1%増)、赤字分が4691件だった。連結納税でなければ、黒字申告割合は7割近くに達し、総個別所得金額も17兆61億円(同29.8%増)にのぼる。企業グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して所得が計算できる連結納税の効果は大きいことがうかがえる。

法人税の申告事績の概要は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/hojin_shinkoku/pdf/hojin_shinkoku.pdf