輸入事後調査、納付不足税額が最多は「電気機器」

財務省は、2017事務年度(2017年7月~2018年6月までの1年間)に、全国の税関が輸入者の関税及び内国消費税の輸入申告に対する事後調査を行った。その結果によると、同事務年度は、4266者(対前年度比▲1.4%)の輸入者に対して事後調査を行い、うち78.9%(同2.4ポイント増)に当たる3365者(同1.8%増)に課税価格に申告漏れがあったほか、適用税率に誤りがあったことが明らかになった。

申告漏れ等に係る課税価格は約1483億7千万円(対前年度比5.5%増)となり、これに対する追徴税額は、関税が約20億3千万円(同▲78.1%)、内国消費税が約121億2千万円(同7.4%増)と、内国消費税は増加したが、関税が大きく減少し、合計約141億5千万円(同▲31.2%)となった。追徴税額のうち、加算税は約6億円(同▲72.7%)、うち重加算税額は約7千万円(▲95.9%)と大幅に減少した。

納付税額の不足が多かった品目は、「電気機器」が約24億9千万円で最多、「光学機器等」約22億円、「自動車等」約13億2千万円、「医療用品」約10億円、「機械類」約9億6千万円と続き、これら5品目で、納付不足税額の総額の約6割を占めた。また、主な申告漏れ等の事例では、(1)輸出者又は輸入者が不正なインボイスを作成し低価で輸入申告しようとしたもの、(2)インボイス記載の決済金額以外の貨物代金の申告漏れなどがあった。

重加算税が賦課された事例をみると、イギリスから鞄を輸入していた輸入者Aは、輸入申告よりも前に正規の価格を認識していたが、正規の価格が記載されたインボイスをもとに自ら正規の価格よりも低い価格でインボイスを作成し、課税価格の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装して、低い価格が記載されたインボイスに基づき、申告。その結果、申告漏れ課税価格4167万円に対し、追徴税額1040万円(うち重加算税258万円)が課された。

また、輸入者Bは、中国の輸出者からアルミ製品を輸入していた。Bは、輸入申告よりも前に正規の価格を認識していたが、輸出者と通謀し、輸出者に正規の価格よりも低い価格でインボイスを作成させ、課税価格の計算の基礎となる事実を隠蔽又は仮装して、低い価格が記載されたインボイスに基づき、申告していた。その結果、Bは、申告漏れ課税価格2140万円に対し、追徴税額341万円(うち重加算税86万円)が課されている。

同輸入事後調査結果は↓
https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/collection/ka20181114b.htm