2018-12-25
国税庁の2019年度末の定員は5万5903人となることが、同庁が21日に発表した2019年度予算の概要で明らかになった。定員については、要求段階では、税制改正や租税回避などへの対応から1103人の増員を求めていたが、1062人の新規増員にとどまり、定員合理化計画に基づく合理化目標数が▲1053人あることから、差し引き9人の純増となった。同庁の定員は3年連続で増加し、2019年度末の定員は5万5903人となる。
同庁の2019年度の機構については、(1)IC化への対応、(2)国際化への対応、(3)審理体制の充実、(4)調査・徴収事務の複雑化等への対応などのため認められた。IC化への対応では、情報システム監理官(仮称)を東京局に1名、事務管理第一課・二課(仮称)を大阪局にそれぞれ新設する。国際化への対応では、国際税務専門官を東京局に4名、沖縄事務所に1名、査察国際専門官を広島局に1名、それぞれ増設する。
また、審理体制の充実では、審理専門官を大阪局に1名、税務署に8名、それぞれ増設する。調査・徴収事務の複雑化等への対応では、徴収部次長を東京局に1名、統括国税査察官を関東信越局に1名、課長補佐を沖縄事務所に1名、査察機動専門官を東京局に1名増設するほか、税務署に特別国税徴収官を13名、特別国税調査官を1名、特別調査情報官を1名、それぞれ増設する。
そのほか、再任用短時間勤務職員用のポストとして、国税庁に派遣監督評価官補を4名、国税局に国税広報広聴専門官を関東信越局に1名、管理監査官を東京局に1名、実務指導専門官を名古屋局に1名、などをそれぞれ増設する。これらのポストは、定年後、年金受給までの間の経済的穴埋めとしての国家公務員の再任用のためのもので、一般職員はもとより、指定官職も再任用となるケースが珍しくなくなっている。
一方、2019年度予算の経費関係については、2018年度当初予算額に比べ0.5%(約33億円)増の約7059億円を確保した。人件費を除く主な一般経費をみると、申告書用紙や通信費などが含まれる「庁・局署一般経費」として1.9%増の約595億円のほか、KSK(国税総合管理)システム関係経費である「情報化経費」が2.3%増の約436億円、「税制改正関係経費」が▲16.5%減の約193億円などが認められている。
定員・機構関係の概要は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0018012-146-2.pdf
経費関係の概要は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/yosan_keihi/yosan_keihi.pdf