還付申告書、その年の翌年1月から5年間提出可能

2018年分所得税の確定申告が最終週に入った。自分には関係ないと考えている給与所得者も多いと思われるが、確定申告の義務がない人でも、源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税が還付される。この申告を還付申告という。還付申告ができるのは、その年の翌年の1月1日から5年間である。

給与所得者は、(1)年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納めすぎとなっているとき、(2)一定の要件のマイホーム取得などをして、住宅ローンがあるとき、(3)マイホームに特定の改修工事をしたとき、(4)多額の医療費を支出したとき、(5)特定の寄附をしたとき、(6)災害や盗難などで資産に損害を受けたとき、(7)特定支出控除の適用を受けるとき、などに原則として還付申告をすることができる。

ただし、還付を受けることができない所得もある。例えば、(1)預貯金の利子、(2)特定の金融類似商品の収益、(3)一定の割引債の償還差益、(4)一時払養老保険の差益などがある。これらの所得について源泉徴収された所得税は、源泉分離課税になっているので、確定申告によって還付を受けることはできない。また、源泉分離課税制度は源泉徴収だけで課税関係が終了するので、他の所得と合算して確定申告する必要はない。

ところで、すでに還付申告をしている人が、その申告した年分について、還付を受けるべき税金を少なく申告してしまった場合には、還付申告ではなく、更正の請求という手続きにより納めすぎになっている所得税の還付を受けることができる。この更正の請求をできる期間は、原則として還付申告書を提出した日から5年以内とされている。また、還付申告書の提出先は、提出するときの納税地を所轄する税務署長となる。

なお、所得税の額から控除しきれなかった住宅借入金等特別控除額がある場合、翌年度分(2019年度分)の個人住民税額からその控除しきれなかった金額を控除できる場合がある。この制度の適用を受けるためには、年末調整によりこの制度の適用を受けている場合を除き、原則として2019年3月15日(金)までに住宅借入金等特別控除を受けるための確定申告書を住所地等の所轄税務署に提出する必要があるので注意が必要だ。