2019-03-14
政府は、本年10月1日の消費増税に伴い、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の一定期間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元・割引を支援する。これによって、事業者・消費者双方におけるキャッシュレス化を推進し、2025年までに民間最終支出に占めるキャッシュレス決済比率40%の実現を図る。
キャッシュレス・消費者還元事業は、10月1日の消費税率引上げ後2020年6月末までの9ヵ月間について、消費者がキャッシュレス決済手段を用いて中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店等で支払いを行った場合、個別店舗については5%、大手チェーンやガソリンスタンド、外食、コンビニエンスストアーなどのフランチャイズチェーン加盟店等については2%を消費者に還元する。
幅広く中小・小規模事業者を対象とするが、(1)社会通念上不適切と考えられる者(風俗店等)、(2)換金性の高い取引(商品券、プリペイドカード等)、(3)別途の需要平準化対策が講じられる取引(住宅、自動車)、(4)一部の消費税非課税取引がその取引の大部分を占めると考えられる者(医療機関等)は対象外となる予定。キャッシュレス決済の手段は、クレジットカードを始め電子マネー、QRコードなど幅広く対象となる。
事業に参加する決済事業者は、中小・小規模事業者に課す加盟店手数料を3.25%以下にしておく必要がある。補助に当たっては、決済事業者が中小・小規模事業者に提供するキャッシュレス決済のプランを提示し、その中から、中小・小規模事業者が自らに望ましいプランを選択する。中小・小規模事業者がキャッシュレス決済を導入する際に、必要な端末等導入費用の1/3を決済事業者が負担することを前提に、残りの2/3を国が補助する。
したがって、中小・小規模事業者の自己負担はない。また、中小・小規模事業者がキャッシュレス決済を行う際に決済事業者に支払う加盟店手数料(3.25%以下)の1/3を、期間中補助する。詳細は、4月に政府が発表する予定という。なお、経済産業省は、「キャッシュレス・消費者還元事業」について、事業に参加するキャッシュレス決済事業者の仮登録の受付を3月12日から開始している。