軽減税率制度、約7割の消費者が制度認知~日本公庫

軽減税率制度は、本年10月に予定されている消費税率10%への引上げの際に、低所得者への配慮の観点から「酒類・外食を除く飲食料品等」を対象に、消費税率を8%とする制度。日本政策金融公庫が発表した「軽減税率制度への消費者の意識調査」結果(有効回答数2000人)によると、「軽減税率制度」の認知度は、「よく理解している」(10.5%)、「おおよそ理解している」(57.3%)と回答した消費者が約7割を占める結果となった。

また、「知らない」(9・4%)との回答は約1割にとどまっており、消費者の間である程度認知されている状況であることがうかがえる。他方、「軽減税率制度の開始時期」については、「知らない」(57.3%)との回答が「知っている」(42.8%)を上回っており、制度の開始時期は必ずしも広く認知されている状況とは言えず、制度の内容、詳細について、消費者に対する周知の徹底が期待される結果となっている。

「軽減税率制度」の賛否については、「賛成(どちらかいうとを含む)」と回答した消費者が37.3%と、「反対(どちらかというとを含む)」(30.6%)を上回った。「賛成」の理由としては、「低所得者に配慮された制度だから」(48.3%)、「税金の負担方法として公平だから」(40.3%)との回答が多く、「反対」の理由は、「制度が複雑で分かりづらいから」(56.8%)が半数を超える結果となり、「分かりやすさ」を求める消費者の意向がうかがえる。

「軽減税率制度」の対象品目は、「酒類・外食を除く飲食料品等」とされており、イートインスペース等での飲食は軽減税率の対象外となる。そこで、制度導入が消費行動に与える影響について尋ねたところ、30.5%と約3割の消費者が「店内・イートインスペースでの飲食が減ると思う」と回答。特に、男性(27.6%)に比べ女性(33.4%)のほうが、年代別では若年層がその割合が高くなっている。

「軽減税率制度」導入に際し、事業者に最も期待することは、「一目で軽減税率が適用されるのかどうか分かるようにしてほしい」(49.6%)との回答が約5割を占め、ここでもやはり、「分かりやすさ」を求める消費者の姿勢がうかがえる。さらに、「間違いのないように会計を行ってほしい」(26.6%)、「時間がかからないようにスムーズに会計を行ってほしい」(23.0%)というように、事業者に対してしっかりとした準備・対応を求めている。

「軽減税率制度」導入後の価格表示のあり方については、「税込価格で標準税率及び軽減税率の両方を表示」(59.7%)、「税込価格で標準税率及び軽減税率のその店での適用の多い方を表示し、異なる場合があることを明示」(12.6%)が約7割となった。「軽減税率制度」導入後でも、消費者は「分かりやすさ」を求める観点から支払総額が一目で分かる「総額表示」を支持していることがうかがえる。

同調査結果は↓
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_190328a.pdf