2019-04-11
国税庁は近年、税務行政のICT化を進めており、国税の納付については、納税者のニーズを踏まえ、口座振替、電子納税、クレジットカード納付、コンビニ納付といった多様な納付手段を整備してきた。そのうちのクレジットカード納付は2017年1月からスタートしているが、国税審議会の資料によると、その初年度の2017年度は件数が16万件で全体に占める割合は0.4%だったことが明らかになった。
2017年度における納付手段別の納付件数をみると、金融機関窓口(3157万件)や税務署窓口(153万件)での「窓口での現金等による納付」が3310万件で最も多く、全体の74.5%を占めた。次いで、「口座振替」610万件(構成比13.7%)、「電子納税」330万件(同7.4%)、「コンビニエンスストア納付」174万件(同3.9%)、そして「クレジットカード納付」が16万件(同0.4%)となっている。
クレジットカード納付の割合は初年度の2017年度こそ少ないが、国税庁は、納付のキャッシュレス化を推進している。加えて、政府は、本年10月1日の消費増税に伴い、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の9ヵ月間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元・割引を支援する。
こうした取組みから、キャッシュレス化の主要な手段であるクレジットカード納付がさらに進むとみられている。国税庁は、「窓口での現金納付は、納税者にとって手間がかかるほか、税務署窓口の収受については、現金管理等の行政コストも生じる。経済社会のキャッシュレス化が進展するなか、今後とも納付手段の利便性向上を図りながら、国税の納付のキャッシュレス化を推進する必要がある」との考えを示している。
ちなみに、クレジットカード納付は、全ての税目で利用可能、利用可能額は1度の手続きにつき1000万円未満、利用可能時間は24時間など、メリットは多い。ただし、クレジットカード納付では、決済手数料がかかり、納付税額が最初の1万円までは76円(消費税別)、以後1万円を超えるごとに76円(同)を加算した金額。また、領収証書は発行されないので、領収証書が必要な場合は、最寄りの金融機関や税務署の窓口で納付する必要がある。