2019-04-19
ふるさと納税制度は、過度な返礼品を送る自治体が急増したことを受け、2019年度地方税法改正において、寄附金の募集を適正に実施する自治体で、「返礼品の返礼割合3割以下」かつ「返礼品は地場産品」との基準を満たした地方自治体を特例の対象として総務大臣が指定する新制度となった。総務省はこのほど、今年6月1日から実施されるふるさと納税(特例控除)の新制度への利用申請状況を明らかにした。
新制度は、総務大臣による指定を受けるためには、ふるさと納税の募集の適正な実施に関する事項を記載した申請書等を総務大臣に提出(毎年7月1日から同月31日まで)することとされ、指定期間は、その年10月1日からその翌年9月30日(改正初年度は今年6月1日から来年9月30日)までの1年4ヵ月間とされている。基準を満たさず指定取消しとなった場合、2年間は指定を受けられない。
改正初年度となる今年の申請は、今月1日から10日まで行われていたが、期間中に申請を行ったのは1741の全市区町村及び46道府県で、自治体の中で唯一、東京都のみが申請を行わなかった。総務省では今後、申請書等の内容を踏まえ、必要な場合には自治体へのヒアリングの実施や追加資料の提出を求めて、5月中旬までに制度の対象となる自治体を決める方針だ。
なお、地場産品基準については、「当該地方団体の区域内において返礼品等の原材料の主要な部分が生産されたもの」と規定。その原材料が「主要な部分」と言えるかどうかについては、その原材料を用いて作られる加工品等の重量や付加価値のうち半分を一定程度以上上回る割合がその原材料によるものであること等により判断し、ふるさと納税の募集に際し、その旨をポータルサイト上等に明記することとされている。
具体的な例として、区域内で生産された牛乳や果物を100%使用して、区域外で製造されたジェラートや、区域内で生産された酒米を100%使用して、区域外において醸造した地酒、区域内の事業者が100%自社で栽培したリンゴを使用して、区域外の工場で加工したリンゴジュース、原材料の柑橘のうち9割以上を区域内で生産された柑橘を使用したジュースなどが、認められると考えられると例示している。