「国の借金」、本年3月末時点で過去最大の1103兆円

財務省が10日に公表した、2019年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、前年度末(2018年3月末)からは15兆5414億円増えて過去最大の1103兆3543億円に膨らんだ。これは、全体の9割近くを占める国債の残高が前年度末から約18兆円も増加して976兆8035億円となったことが要因とみられる。なかでも、普通国債のうちの長期国債(10年以上)は約33兆円増加して過去最大の674兆8995億円となった。

2018年3月末に比べ、国債は約17.7兆円増の約976.8兆円で全体の約89%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、約20.9兆円増の約874兆円(うち復興債が約5.4兆円)と過去最高を更新した。他方で、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は▲約1.3円減の約73.3兆円、財政投融資特別会計国債は▲約2.3兆円減の約92.2兆円、借入金は▲約0.8兆円減の約53.2兆円といずれも減少している。

この「国の借金」1103兆3543億円は、2019年度一般会計提出予算の歳出総額99兆4291億円の約11倍、同年度税収見込み額62兆4950億円の約17.7倍である。年収500万円のサラリーマンが8850万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2623万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2018年3月末時点の約860万円から約874万円に増加している。

わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っているが、2019年3月末実績の公債残高は、2018年度末見込み(二次補正予算ベース)の約880.2兆円から約874兆円程度にとどまった。しかしこれは、2019年度一般会計税収予算額約62兆円の約14.1年分に相当し、将来世代に大きな負担を残すことになる。また、この3月末実績での公債残高の約874兆円は、国民1人当たり約692万円、4人家族で約2770万円となる。

2019年3月末現在の国債及び借入金等の現在高は↓
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/3103.html