ふるさと納税、大阪・泉佐野市など4市町を除外

返礼品が問題となっていたふるさと納税制度については、2019年度税制改正において、「返礼品の返礼割合3割以下」かつ「返礼品は地場産品」との基準を満たした地方自治体を特例の対象として総務大臣が指定することになった。新制度は本年6月1日から施行する。改正法では、基準を満たさず指定取消しとなった場合、2年間は指定を受けられないことが明らかとなったが、総務省は14日、新制度に係る総務大臣の指定を発表した。

それによると、本年6月以降、ふるさと納税の対象とならない団体として、「静岡県小山町」、「大阪府泉佐野市」、「和歌山県高野町」、「佐賀県みやき町」、「東京都」の5団体を明らかにした。このうち「東京都」は申出書の提出がなかったことから参加を辞退したものだが、他の4市町は、「返礼品の返礼割合3割以下」かつ「返礼品は地場産品」との基準を満たさず、不適切な手法で多額の寄附を集めたと判断されて対象から除外されたもの。

泉佐野市や小山町、みやき町は、地場産品でないアマゾンのギフト券、高野町は旅行券を返礼品として寄附者に贈り、2017年度のふるさと納税において、泉佐野市は497億円、小山町は250億円、高野町は196億円、みやき町は168億円と多額にのぼる寄附額を集めていた。こうした地場産品でない返礼品で多額の寄附を集めた手法が不適切と判断されたわけで、6月1日以降、これらの4市町への寄附は制度上の税優遇を受けられない。

また、除外された4市町ほどではないものの、不適切な返礼品を贈るなど寄付集めの手法に問題があったとして、北海道森町や宮城県多賀城市、茨城県稲敷市、鹿児島県鹿児島市など43市町村に対しては、本年6月1日から同年9月30日までの4ヵ月間に限り、新制度への参加を認めた。これらの43市町が10月以降も新制度に参加するためには、手法を改めた上で7月にふたたび申請し、指定を受ける必要がある。

今回の総務大臣の指定では、全地方団体1788団体のうち、約98%に当たる1740団体(46道府県、1694市区町村)に対しては、本年6月1日から2020年9月30日までの1年4ヵ月の期間、新制度への参加を認めた。ちなみに、対象団体の指定は、原則として1年単位で行うこととし、指定対象期間は毎年10月1日からその翌年の9月30日までの期間とされているが、今回は新制度の施行が6月だったため、1年4ヵ月となったもの。

ふるさと納税に係る総務大臣の指定については↓
http://www.soumu.go.jp/main_content/000619119.pdf