2019-06-03
国税庁が5月30日に発表した2018年分所得税等の確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を1.1%上回る2221万8千人となり、2015年から4年連続で増加したことが分かった。申告納税額がある人(納税人員)は前年分比▲0.4%減の638万4千人となり、4年ぶりの減少。納税人員の増加に伴い、その所得金額も同1.7%上回る42兆1274億円となり、4年連続で増加した。
申告納税額も、前年を2.5%上回る3兆2826億円と、4年連続の増加。これは、土地等の譲渡所得や給与所得者の増加が影響しているとみられる。ただし、申告納税額は、ピークの1990年分(6兆6023億円)の半分程度(49.7%)に過ぎない。なお、還付申告者数は、前年分から1.8%増の1305万6千人と、2010年分(1267万3千人)からほぼ微増で推移しており、申告者全体の約59%を占めている。
所得税申告者のうち、株式等の譲渡所得の申告者は前年分比▲1.6%減の101万5千人と3年ぶりの減少、うち所得金額がある人は同▲25.7%減の39万6千人、所得金額は同▲10.6%減の3兆1941億円と、ともに減少。これら株式等譲渡所得の申告者を除く土地等の譲渡申告者は同2.3%増の52万6千人で4年連続の増加、うち所得金額がある人は同3.5%増の35万3千人、所得金額は同5.8%増の5兆328億円でともに9年連続で増加した。
一方、贈与税の申告状況をみると、贈与税の申告書を提出した人員は49万4千人で前年分比▲2.5%減、うち納税人員は36万人で同▲2.5%減少したが、その申告納税額は2788億円で同34.2%増加した。贈与税の申告書提出人員のうち、暦年課税を適用した申告者は同▲2.3%減の45万1千人、うち納税額がある人は同▲2.4%減の35万7千人、その納税額は同43.3%増の2504億円。1人当たりの納税額は同46.9%増の70万円となる。
また、相続時精算課税制度に係る申告者は前年分に比べ▲4.7%減の4万2千人、うち納税額があった人は同▲12.9%減の3千人、申告納税額は同▲14.1%減の284億円。1人当たりの納税額は同▲1.3%減の855万円だった。なお、個人事業者の消費税の申告件数は同▲0.3%減の113万5千件、納税申告額はほぼ横ばいの5932億円で推移。還付申告件数は同3.3%増の3万9千件、還付税額は同▲1.4%減の352億円だった。
2018年分所得税等の確定申告状況は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/kakushin_jokyo/pdf/0019005-039.pdf