2019-06-06
2018年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2221万8千件(前年分比1.1%増)で4年連続の増加となったが、過去最高だった2008年分(2369万3千件)を6.2%下回る。それでも2011年分から微増で推移しており、こうした2千万件を超える納税者数に対応するために、国税庁は、確定申告における基本方針として、「自書申告」を推進、そのためのICT(情報通信技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。
国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxなど、ICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1531万1千人にのぼり、2017年分より6.8%増加した。所得税の確定申告書の提出人員に占める割合は前年より3.6ポイント上昇の68.9%に達した。贈与税の申告でも、提出人員49万4千人のうち76.4%(37万7千人)がICTを利用、その割合は前年分から2.0ポイント上昇している。
署でのICT利用は、「署で申告書を作成してe-Taxで提出」が391万9千人、「同書面での提出」が36万人の計427万9千人と、前年分に比べ▲6.9%減少。一方で、自宅などでのICT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成、書面で提出」が474万1千人、「同e-Tax」が124万人、「各種会計ソフト等で作成・e-Taxで提出」が418万5千人の計1016万6千人で同9.4%増と、自宅等でのICT利用が増加している。
一方、全国拡大後15回目の確定申告となるe-Tax(国税電子申告・納税システム)は、(1)添付書類の提出省略、(2)書面提出に比べ還付金を早期還付、などのメリットを積極的に広報するなど普及拡大に努めた結果、e-Taxでの所得税の申告書提出件数が、前年の882万9千人から934万4千人へと5.8%増加した。これは、所得税の確定申告書の提出人員の約4割(42.1%)がe-Taxを利用したことになる。
このように、ICTを活用した施策を推進する一方で、今年で15回目となる閉庁日における申告相談を2月24日と3月3日の日曜日に、228税務署を対象に税務署のほか合同会場・広域センターの会場において実施。これらの会場における両日の相談件数は前年比▲1.3%減の18 万9千件、申告書収受件数は同▲0.8%減の29万1千件と、やや減少したものの、閉庁日対応の効果が十分にうかがえる結果となっている。