飲食店事業者の軽減税率制度に対する認知度は約7割

日本政策金融公庫が飲食業や理・美容企業など生活衛生関係営業企業を対象に6月中旬に実施した「キャッシュレス決済の対応状況等に関する調査」結果(有効回答数3142社)によると、飲食店事業者(1448社)の軽減税率制度の認知度は、「(よく+だいたい)理解している」との回答が68.0%と約7割を占めた。業種別にみると、「そば・うどん店」(71.3%)、「その他飲食店」(70.0%)、「すし店」(69.6%)の順で高かった。

飲食店事業者の軽減税率制度導入に伴い必要な準備(複数回答)については、「レジ等の更新・改修」と回答した企業割合が46.1%と最も高く、次いで、「値札・価格表示の変更」(44.7%)、「従業員への周知・教育」(36.8%)となった。業種別にみると、「レジ等の更新・改修」は、「そば・うどん店」(57.9%)や「すし店」(49.2%)が、また、「値札・価格表示の変更」も、「そば・うどん店」(54.5%)や「すし店」(50.0%)が高かった。

飲食店事業者の軽減税率制度導入に向けた準備状況は、「準備は概ね完了している」、「準備に取り掛かっている」との回答がそれぞれ8.7%、36.6%。一方、「準備に取り掛かっていない」との回答が54.6%と過半数を占めている。飲食店事業者の軽減税率制度導入に伴うテイクアウト・宅配サービスの導入方針は、「テイクアウト・宅配サービスを導入・拡充する」と回答した企業割合は9.3%にとどまった。

また、全社を対象にしたキャッシュレス決済の対応をみると、「対応している」と回答した企業割合が40.9%と、約4割を占めた。業種別にみると、「ホテル・旅館業」が83.6%と最も高く、次いで、「映画館」(46.4%)、「飲食業」(45.4%)、「美容業」(42.5%)が4割を超えた。また、消費税増税を契機としたキャッシュレス決済の導入方針は、「キャッシュレス決済を導入・拡充する」と回答した企業割合が約3割(26.0%)となった。

キャッシュレス決済を導入・拡充する理由(複数回答)では、「利用客からの需要がある」との回答が70.8%、次いで、「新規客の開拓が見込める」(43.8%)、「売上の増加が見込める」(36.4%)の順。一方、キャッシュレス決済を導入しない理由(同)では、「利用客からの需要がない」が49.0%と最も高く、次いで、「新たな機器の導入に抵抗がある」(48.2%)、「決済手数料等の経費負担の増加」(46.6%)となった。

同調査結果は↓
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/seikatsu19_0912a.pdf