文科省、ゴルフ場利用税の非課税措置の拡充を要望

ゴルフ場利用税について、文部科学省は2013年から昨年まで7年連続して廃止を要望していたが、2020年度改正に向けては、同税の扱いは長期的に検討していくとした上で、ゴルフ場利用税の非課税措置の拡充を要望した。ゴルフは2016年に112年ぶりにリオデジャネイロ五輪で復活し、東京五輪でも実施が決まっていることから、同省は幅広くゴルフの振興を図り、国民が身近に親しむ環境を整備する上で重要だとしている。

ゴルフ場利用税の前身は、1940年に国税として導入された入場税だが、その後、1954年にパチンコ店やマージャン店などとともに「娯楽施設利用税」という地方税となった。さらに1989年の消費税創設に際して、国税の入場税は廃止され、娯楽施設利用税も、パチンコ・麻雀・射的場などの利用に係るものは廃止されたが、ゴルフ場の利用行為に対してだけは「ゴルフ場利用税」と名称変更して存続した。

2020年度税制改正要望においては、将来にわたるゴルフ人口の拡大、生涯スポーツとしてのゴルフ振興、健康寿命の延伸の観点から、現在の非課税措置の対象のうち、「18歳未満の者」と「70歳以上の者」について、それぞれ「30歳未満の者」、「65歳以上の者」への対象拡充とともに、新たにオリンピックを含む国際競技大会出場選手及び中央競技団体が主催する、全国的なアマチュアゴルフ競技出場選手への非課税措置を講ずることを要望。

また、ゴルフ場利用税の見直しも要望。1989年度に消費税創設(税率3%)に伴い娯楽施設利用税を廃止する一方、課税対象施設をゴルフ場に限定し、「ゴルフ場利用税」を創設した上で、標準税率を1100円から800円に引き下げ、併せて市町村への交付金の交付率を1/2から7/10に変更。その後、消費税は5%、8%に引き上げられたが、その後の見直しは行われていないことから、消費税の10%引上げを契機とした見直しを求めている。

税制改正要望の背景には、ゴルフ人口やゴルフ場の減少がある。国内のゴルフ人口は1991年の約1700万人から2016年の約890万人に、若い世代を中心に半数近く減少し、ゴルフ場は2012年度の2460ヵ所から2017年度の約2257ヵ所に減少している。文科省は、ゴルフ場の閉鎖を防止しゴルフ場を活用した地域の振興を図るとともに、ゴルフ人口の増加の方策を検討する必要があるとの考えを示している。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/08/29/1420671_03.pdf