2019-09-20
人事院は、民間企業等における有為な実務経験を有する者を係長等の官職へ採用するため、2019年度において、8種類の経験者採用試験を実施している。人事院がこのほど公表した2019年度国家公務員経験者採用試験の申込状況によると、国税庁経験者採用試験(国税調査官級)の申込者数は前年度に比べ89人減の1198人だった。うち女性は2人増の233人で女性の申込割合は19.4%(前年度17.9%)に増えた。
民間企業等での一定の実務経験者を国家公務員として採用するための経験者採用試験を実施している省庁は7つあり、国税庁以外の申込者数をみると、「外務省」(書記官級)174人、「観光庁」(係長級(事務))143人、「国土交通省」(係長級(技術))96人、「気象庁」(係長級(技術))76人、「農林水産省」(係長級(技術))61人、「総務省」(係長級(技術))48人となっている。
他の省庁は国税庁に比べると桁違いに少ないが、これは採用予定数の違いのため。220人の採用を予定している国税庁に対して、外務省25人、気象庁20人、総務省10人、国土交通省8人で、農林水産省と観光庁にいたっては3人しか採用しない。逆に言えば国税庁の採用予定数が突出して多い。国税庁は、年代別職員構成で少ない30歳代の職員を増やすため2016年度から200人程度の大量採用をしているからだ。
国税庁の年代別職員構成の現状は、40歳~50歳代前半はほぼすべての年齢で1500人を超え、20歳代後半も1000人を超えているが、30歳代はほぼ1000人を下回っている。国税庁職員の採用は、税務職員試験・国税専門官試験による新規採用が基本だが、30歳代を中心に職員構成に大きな歪みを生じていることから、この年代をカバーする職員採用が目的で2009年度から経験者採用試験を実施している。
過去の経験者採用試験での採用者数をみると、2009年度9人→11年度21人→14年度15人→15年度24人と2015年度までは少なかったが、2016年度は185人と採用枠を大幅に増やした。このため、2016年の定期人事異動までは目立たなかったが、2017年の定期人事異動では研修を終えた大量の2016年度採用者が税務署に配属され、例えば東京国税局管内税務署に111人が配属されるなど、その存在が目にとまるようになった。
なお、国税庁経験者採用試験は、第1次試験が9月29日(合格発表10月24日)に、第2次試験が11月2~4日、9日又は10日で指定する1日(合格発表11月27日)に、第3次試験が12月上旬で指定する1日に実施され、最終合格者は12月25日に発表される予定となっている。
この件については↓
https://www.jinji.go.jp/kisya/1909/2019kyouyoumoushikomi.html