アルバイトを雇う場合は副業かどうかの確認が必要!

人手不足のなか、企業ではアルバイトやパートを雇用しているところも少なくない。ところで、パートやアルバイトに給与を支払う際は、当然、一般の社員と同様に源泉徴収をしなければならないが、源泉徴収する所得税の金額の計算に当たって注意しなければならないのは、パートやアルバイトが副業かどうかということだ。副業で働いている場合、副業でない場合に比べて源泉徴収する所得税の金額が多くなる。

副業なのに、副業でない前提で計算をしてしまうと、所得税の源泉徴収額が過少になってしまうため、パート・アルバイトを雇う際には、必ず副業かどうかを確認する必要がある。また、副業でない場合には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を、最初に給料を支払う日の前日までに提出してもらわなければならない。雇用者側としては、この書類の提出をもって副業か副業でないかを判断して、源泉徴収する所得税の計算を行う。

副業でないことが確認できたら、すぐにこの書類を書いてもらうように準備しておこう。さて、パートやアルバイトに、給与を支払う際に源泉徴収する税額は、一般の社員と同様に、雇用契約期間や給与の支給方法(日給・月給)により、「給与所得の源泉徴収税額表」の「月額表」又は「日額表」の「甲欄」若しくは「乙欄」を使って求めることになる。ただし、「日額表」の「丙欄」を用いて所得税額を計算するケースがある。

それは、時間給や日給で支払う給与で、(1)雇用契約の期間があらかじめ定められている場合には、2ヵ月以内であること、(2)日々雇い入れている場合には、継続して2ヵ月を超えて支払をしないこと、とのいずれかの要件に当てはまる場合で、このケースでは「日額表」の「丙欄」を用いて所得税額を計算することになる。一般的な学生のアルバイトに関しては、これに当てはまるものが多いだろう。

最初の契約期間が2ヵ月以内とされている場合でも、雇用契約の期間の延長や、再雇用のため2ヵ月を超えてしまうことがある。この場合には、契約期間が2ヵ月を超えることとなった日から、「日額表」の「丙欄」を使うことはできなくなるので注意したい。したがって、給与を支払う期間に応じ定められている税額表の(「月額表」又は「日額表」)「甲欄」又は「乙欄」を使って源泉徴収する税額を求めることになる。

なお、日額表の「丙欄」を使い計算する際は、日給が9300円未満であれば税額はゼロなので源泉徴収する必要はない。また、学生アルバイトについても、交通費が支給されるケースが多いが、日額法の「丙欄」が適用される一時的なアルバイト学生の通勤交通費についても、非課税となる通勤手当に含まれる。つまり、その月中に支払われる通勤手当の合計額が、1月当たり15万円の限度内であれば非課税として取り扱われることになる。