消費増税対応策のプレミアム付商品券利用は半分以下

11月13日に開催された経済財政諮問会議(議長=安倍内閣総理大臣)に内閣府が提出した資料(「消費税率引上げに伴う進捗状況について」)によると、消費税率引上げの負担軽減のため導入されたプレミアム付商品券の利用が半分以下にとどまっていることが明らかになった。会議では、プレミアム付商品券やキャッシュレス・消費者還元事業など消費税率引上げに伴う対応策の進捗状況等を議論した。

内閣府の資料及び説明によると、低所得者・子育て世帯が対象のプレミアム付商品券は、現時点(13日)で、1団体を除くすべての自治体で商品券の利用を開始しており、利用可能店舗数が全国で約50万店。10月25日時点での住民税非課税世帯の申請者が約714万人、3歳未満の子育て世帯分の対象者数は約323万人で合計約1036万人となる。これは想定される対象者2450万人の42%に当たり、商品券の発行規模は最大約2600億円となる。

利用が伸び悩んでいる背景には、子育て世帯はプレミアム付商品券の引換券が自動的に届くのに対し、住民税非課税世帯は自治体への申請が必要なことがあるものと思われるが、内閣府では利用を促すため広報・周知を行っていくとした。また、キャッシュレス・消費者還元事業は、10月の4週間で還元額は1日当たり平均11億円強、対象決済金額は1日当たり約299億円。中小・小規模店の参加状況は、申請数約93万店、加盟店約73万店だった。

この20万店のギャップについては、申請店舗ができるだけ早く参加できるよう、決済事業者に対し政府として審査の迅速化を要請しているという。そのほか、自動車税の引下げ・住宅ローン減税の拡充等の税制措置は、予定どおり10月から開始された。次世代住宅ポイントは、6月3日から申請を受け付け、10月末時点で3万戸弱の新築・リフォームに対し約84.5億円に相当するポイントが発行されている。

一方、民間議員からは、キャッシュレス・消費者還元事業が来年6月で終了することから、マイナンバーカードを利用した消費活性化策を同年7月から開始して切れ目のない対応を検討してほしいとの声があった。会議後、これに関しての記者の質問に対して西村康稔内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は、「当初予定していた来年10月からの実施を1ヵ月程度早めることを検討している」と答えている。

「消費税率引上げに伴う対応の進捗状況」は↓
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1113/shiryo_01.pdf