国税庁が特定秘密保護法の適用対象機関から除外に

公務員らの機密漏えいに罰則を科す特定秘密保護法が施行から5年経過したのを受け、施行令改正と運用基準の見直しが行われた。政府は12月10日、特定秘密保護法の政令を改正し、法の適用対象だった70行政機関から、国税庁や中小企業庁、特許庁、検察庁、会計検査院等の42機関を除外することを閣議決定した。同日に改正政令が公布され翌11日から施行されている。

特定秘密保護法は、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの保護に関し、必要な事項を定めている。特定秘密とは、防衛・外交・特定有害活動(スパイ行為等)の防止・テロリズムの防止に関するものとして法律に規定された事項であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与える恐れがあるため、特に秘匿することが必要であるもの。

特定秘密保護法は2014年12月10日に施行されているが、同法の附則では、法律の施行後5年間に特定秘密を保有したことがない機関として政令で定められた機関については、5年経過日の翌日以後は法律の対象とする行政機関から除外する規定を設けている。特定秘密を指定する行政機関を限定することにより、特定秘密の恣意的な指定を防止することが目的で、政令改正は、これを受けての見直し。

除外された行政機関の中には、首相が本部長を務める総合海洋政策本部や知的財産戦略本部のほか、地球温暖化対策推進本部やギャンブル等依存症対策推進本部など、安全保障に関連するのか名称を聞いただけではわからないものもあった。引き続き適用対象となる28機関は、警察庁や外務省のほか、内閣官房や国家安全保障会議(NSC)、防衛省、金融庁などがある。