2020-01-08
2020年度税制改正において、NISA(少額投資非課税)制度が見直される。2014年からスタートしたNISAは、現在、(1)一般NISA、(2)つみたてNISA、(3)ジュニアNISAに区分される。このうち、ジュニアNISAについては、利用実績が乏しいことから延長せず、新規の口座開設を2023年までとし、その終了に合わせ、2024年1月以後は、口座内の上場株式等や金銭の全額を源泉徴収せずに払い出すことができることとする。
一般NISAは、年間120万円を投資限度額として5年間、金融商品に投資した売却益や受け取った配当などの運用益が非課税となる。その投資期限である2023年末に近づいてきたため、2024年からは、低リスクの投資信託などに対象を絞った年20万円の積立枠(1階)と、上場株式などにも投資できる年102万円の枠(2階)の2階建てに見直した上で、口座開設可能期間を2028年まで5年延長する。
新しく創設されるNISAの1階部分の積立枠は、安定資産への中長期的な投資・運用を重視し、つみたてNISAと同様に、低リスクの投資信託に限定される。2階部分は、整理銘柄などのリスクの高い商品は除外されるものの、従来通り上場株式等に投資できる設計になる。この結果、新NISAの年間の投資限度額は、1階が20万円、2階が102万円の総額122万円となり、5年で最大610万円が非課税で運用できるようになる。
また、年間40万円を上限に非課税期間20年の現行のつみたてNISAは、2037年までとなっている投資期限を2042年まで5年延長し、2023年までに投資を始めた人が20年間は積み立てられるようにする。つみたてNISAの対象商品は、手数料の低さや分散投資の度合い等の基準で金融庁が認めたインデックス投信などに限られている。2階建てとなる新NISAとつみたてNISAは選択制となる。
現行のNISAの利用数は、金融庁によると、2019年9月末時点で、一般NISAが約1170万口座、つみたてNISAが約171万口座、ジュニアNISAが約34万口座となっている。ジュニアNISAは、未成年者を対象とした制度だが、18歳まで払出しができない点など使い勝手の悪さなどもあって、一般NISAやつみたてNISAに比べると口座数は低水準にとどまっており、今回廃止が決まった模様だ。