2020-02-07
国税庁は、令和元年台風第19号に係る「特定非常災害の発生直後の価額」(相続税・贈与税関係)を求めるための「調整率」を2月26日11時に公開する予定であることをホームページで公表した。調整率とは、災害に関する資産税関係の救済措置として、被害を受けた特定地域内にある土地等について災害による時価の下落を反映させるもので、2017年度税制改正で創設されたもの。
特定非常災害で被災等の影響を受けた一定の土地等や株式等については、「特定土地等及び特定株式等に係る相続税・贈与税の課税価格の計算の特例」により、その取得時の時価によらず、特定非常災害の発生直後の価額により評価できる。調整率は、この「特定非常災害の発生直後の価額」を求めるための控除割合のこと。特例非常災害には2016年熊本地震や2018年7月豪雨も指定されている。
令和元年台風19号の被災土地等で同特例の適用対象となるのは、(1)2018年12月10日から2019年10月9日までの間に相続等により取得した土地等、(2)2019年1月1日から同年10月9日までの間に贈与により取得した土地等で、宮城県、福島県、茨城県、埼玉県、千葉県等を始めとする特定地域内にあるもの。これらの土地等の価額は、その取得時の時価によらず、「令和元年台風第19号の発生直後の価額」によることができる。
申告期限については、相続人のうちに上記の特例を受けることができる者がいる場合には、その相続人等の全員の申告期限が2020年8月11日まで延長される。また、災害発生日以後(2019年10月10日以後)に取得した土地等についても、2019年10月10日から同年12月31日までの間に相続等又は贈与により取得した土地等のうち、特定地域内にある土地等の価額については、上記に準じて計算することができる。
災害発生日以後に取得した土地等に係る相続税又は贈与税の申告期限については、相続税は相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月を経過する日、また贈与税については2020年3月16日となる。なお、2019年分の贈与税の申告書の受付は2月3日から始まっているが、国税庁では、特定土地等については「調整率」を確認した上で評価額を計算し、贈与税の申告書を作成・提出するよう呼びかけている。
この件については↓
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r1/0019010-071/pdf/r02_01.pdf