利子税・還付加算金等の特例基準割合を引下げ

利子税・還付加算金等の特例基準割合は、市中金利の実勢を踏まえ、2020年度税制改正において引き下げられる。この改正は、2021年1月1日以後の期間に対応する利子税・還付加算金等について適用される。まず、利子税の割合は、各年の利子税特例基準割合(「貸出約定平均利率+1%」)が年7.3%未満の場合には、その年中においては、利子税の区分に応じそれぞれ次の割合に引き下げられる。

利子税の割合は、(1)次の(2)以外の利子税はその利子税特例基準割合、(2)相続税及び贈与税に係る利子税は、これらの利子税の割合に、その利子税特例基準割合が年7.3%に占める割合を乗じて得た割合となる。利子税の特例は、原則7.3%のところ、現行は利子税特例基準割合で1.6%だが、改正後は「平均貸付割合+0.5%」で1.1%(平均貸付割合(又は貸出約定平均金利)を0.6%とした場合)に引き下げられる。

上記の「利子税特例基準割合」とは、各年の前々年の9月から前年の8月まで(現行:前々年の10 月から前年の9月まで)の各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12 で除して得た割合として、各年の前年の11 月30 日まで(現行:12 月15 日まで)と15日間前倒しされた財務大臣が告示する割合(「平均貸付割合」)に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

次に、納税の猶予等の適用を受けた場合(延滞税の全額が免除される場合を除く)の延滞税の割合は、納税の猶予等をした期間の猶予特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その期間においては、その猶予特例基準割合とする。この「猶予特例基準割合」とは、平均貸付割合に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。また、これ以外の延滞税の割合については、従前どおりの割合(原則14.6%が特例8.9%)とする。

還付加算金の割合は、各年の還付加算金特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その年中においては、その還付加算金特例基準割合とする。「還付加算金特例基準割合」とは、平均貸付割合に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。還付加算金の割合は、原則7.3%のところ、現行は特例で1.6%だが、改正後は還付加算金特例基準割合1.1%(平均貸付割合(又は貸出約定平均金利)を0.6%とした場合)に引き下げられる。