活用したい住宅取得等資金贈与に係る非課税枠の拡充

住宅取得等資金贈与の非課税の特例は、マイホームの取得等のために父母や祖父母から資金の贈与をうけた場合に贈与税が非課税となる制度だが、昨年10月からの消費税の増税に伴って拡充されており、贈与税が最大で3000万円まで非課税となる。非課税となる金額は、契約日、住宅の種類、家屋にかかる消費税の税率によって変わり、適用するには税額が0になっても申告しなければならない。特例の適用期限は2021年12月31日まで。

同特例の主な要件には、(1)贈与者が親・祖父母などの直系尊属であること、(2)受贈者が  贈与年1月1日現在で20歳以上である子・孫などの贈与者の直系卑属であること、(3)贈与年の受贈者の合計所得金額が2000万円以下であること、(4)適用対象は、居住用の住宅の新築、中古住宅(敷地含む)の取得、増改築等であり、贈与年の翌年3月15日までにその贈与された金額の全額を新築等に充てること。

さらに、(5)床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下、かつその家屋の床面積の2分の1以上が受贈者の居住用であること、(6)居住等要件として、贈与年の翌年3月15日までに、その家屋に居住するか、同日以後遅滞なくその家屋に居住することが確実であることが見込まれること、(7)贈与年の翌年3月15日までに、一定の書類を添付して税務署に贈与税の申告をすること、などがある。

最大で3000万円の非課税を受けることができるのは、消費税率10%が適用される「良質な住宅用家屋」(一定の条件を満たす省エネルギー性・耐震性を備える家屋)に係る住宅取得等資金贈与で、2019年4月~2020年3月までの間に契約を締結したその住宅等の取得等に限られる。それ以降の契約締結になると、2020年4月~2021年3月までは1500万円まで、2021年4月~2021年12月までは1200万円までが非課税限度となる。

「良質な住宅用家屋」以外で消費税10%が適用される一般住宅に係る住宅取得等資金贈与は、2019年4月~2020年3月までは2500万円まで、2020年4月~2021年3月までは1000万円まで、2021年4月~2021年12月までは700万円までが非課税限度となる。なお、受贈者ごとに制度の適用があり、例えば、20歳以上の孫が3人いるケースで、それぞれ要件を満たすことにより、贈与者の財産を9000万円まで非課税で贈与することができる。