国税専門官採用予定者大幅増も気になる試験実施

大学卒業程度を対象とする2020年度の国税専門官採用試験は、第1次試験が6月7日に行われ同30日に合格発表、第2次試験が7月8日~17日の間の指定する日に行われ、最終合格者が8月18日に発表される試験日程が公表されている。国税専門官採用者数は、2013年度以降約1000人から1200人程度で推移しているが、2020年度は1350人と大幅な採用者増を予定している。

採用枠の拡大は受験者にとってチャンスだが、気になるのは新型コロナウイルス感染拡大による試験実施への影響だ。昨年度に各地の国税局で採用された大学卒業生を中心に、約1100人が税務署に配属される前に、4月6日~22日に税務大学校和光校舎で行う予定だった専門官基礎研修が、コロナウイルス感染拡大を受けて、当分の間、在宅でのオンライン等研修に変更されている。

また、高卒以上を対象とする税務職員採用試験による採用者や経験者採用試験による採用者に対してそれぞれの研修所で実施される予定だった研修も、当分の間、在宅でのオンライン等研修に変更されている。一方、人事院では4月8日、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえ、4月26日に予定していた2020年度国家公務員採用総合職試験の第1次試験の実施を5月24日に延期することを決めた。

人事院では、この実施日について、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況により、更に延期する場合があると発表している。試験会場は、いわゆる3密のうち密閉空間・密集場所に該当する。2020年度の国税専門官採用試験実施についても、当然ながら換気を頻繁に行うことや机の間隔を広げるなどの対応が最低限必要になるが、コロナウイルスの感染状況によっては試験延期もあるとみられている。