2020-05-13
新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための臨時特例法では、政府の自粛要請を受けて文化芸術・スポーツイベントを中止等したことで主催者に大きな損失が生じている状況を踏まえ、中止等されたイベントの入場料等について、観客等がチケット等の払戻しを受けない(放棄する)ことを選択した場合には、放棄金額の20万円を限度に寄附金控除(所得控除又は税額控除)を受けられる優遇税制が創設された。
寄附金控除の対象となるイベントは、(1)文化芸術又はスポーツに関するもの、(2)2020年2月1日から2021年1月31日までに開催された又は開催する予定だったもの、(3)不特定かつ多数の者を対象としているもの、(4)日本国内で開催された又は開催する予定だったもの、(5)新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、現に中止等されたものであること。
さらに、(6)中止等の場合には、入場料金・参加料金等の対価の払戻しを行う規約等があるもの又は現に払戻しを行っているもの、の要件を全て満たすものとされている。具体的には、映画館、博物館(美術館・動物園・水族館を含む)、テーマパーク等の観覧チケット等については、新型コロナウイルスの感染拡大防止の措置のために閉館・休園となり、前売りチケットの購入者に払戻請求権が発生した場合は適用の対象とされる。
また、カルチャースクール・スポーツジムなど、繰り返し開催されているイベントや、文化芸術に係る催しと共に旅行や食事などとパッケージで提供しているイベントについても、文化芸術・スポーツに関連するイベントであって、その他の要件を満たすものであれば、寄附金控除の対象に該当する。対象イベントは、文化庁・スポーツ庁がイベントの主催者の申請を受けて指定を行い次第、同庁のHPにアップするという。
ちなみに、減税額については、「寄附」合計額から2000円を引いた額の40%分に当たる金額が、所得税から減税される(税額控除方式の場合)。居住する自治体が指定したイベントについては、さらに最大10%分が住民税から減税される。例えば、居住する自治体が指定したイベントで1万円のチケット代金を払い戻さずに寄附をすることとした場合、最大で4000円の減税となり、手元に返ってくる。
同制度の概要は↓
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/pdf/202005011800_01.pdf