2020-05-27
法人の申告・納付については、新型コロナ感染症の影響を受けて申告が困難な場合には、個別に申告期限の延長が認められるが、中間申告期限も個別延長の対象となる。法人税や消費税の中間申告については、前期の確定した税額から中間申告に係る税額を計算する「通常の中間申告」と、これに代えて、中間期間を一つの事業年度(又は課税期間)とみなして確定申告と同様に法人税額や消費税額を計算する「仮決算による中間申告」がある。
法人税又は消費税の中間申告について、その提出期限までに中間申告書の提出がなかった場合には、通常の中間申告書(前期の確定税額を基に税額を計算)の提出があったものとみなされることになっている。そこで、例えば、新型コロナウイルス感染症の影響により、当期の業績が悪化しているような場合には、通常の中間申告に代えて、仮決算による中間申告を検討する企業もあるとみられる。
しかし、その際に、外出自粛要請の影響など、通常の業務体制が維持できないことにより、例えば、(1)通常の中間申告に係る納付税額と、仮決算による中間申告に係る納付税額を比較・検討するための準備に時間を要する、(2)仮決算による中間申告に係る申告書の作成に時間を要するなど、中間申告書を提出期限までに提出することが困難となる場合が考えられるが、このような場合にも、提出期限の延長が認められる。
その提出期限までに中間申告書の提出が困難な場合には、中間申告書の提出ができることとなった時点で、中間申告書の提出の際に、その中間申告書の余白部分に提出期限の延長申請である旨を記載し、提出すれば、事後的に提出期限の延長が認められる。中間申告書の提出が困難な状態が、確定申告書の提出期限まで続く場合には、その中間申告書の提出は不要となる。つまり、中間申告により納付する法人税や消費税は生じないことになる。
この場合には、確定申告書を提出する際に、確定申告書の余白に、中間申告書は新型コロナウイルス感染症の影響により提出できなかった旨を記載し、提出すればいい。なお、所轄税務署から送付される確定申告書に印字されている中間税額には、その生じないこととなる税額が含まれているので、使用の際には、その生じないこととなる税額相当額を控除した金額に訂正して使用することになる。