2018年度分の赤字法人割合は9年連続減少の62.1%

国税庁が5月29日に公表した「2018年度分会社標本調査」結果によると、2018年度分の法人数は273万8549社で、前年度より1.2%増と6年連続で増加した。このうち、連結親法人は1751社で同1.4%増、連結子法人は1万3256社で同4.6%増。連結子法人を除いた272万5293社のうち、赤字法人は169万2623社で、赤字法人割合は前年度比0.5ポイント減の62.1%となり9年連続で減少したが、いまだ高水準にある。

業種別(連結法人を除く)の赤字法人割合をみると、「出版印刷業」(74.9%)が最も高く、次いで、「料理飲食旅館業」(73.8%)、「繊維工業」(73.4%)、「食料品製造業」(71.1%)、「小売業」(71.0%)と続き、これらの5業種は7割を超えている。他方、低い順にみると、「建設業」(56.0%)、「鉄鋼金属工業」(56.5%)、「機械工業」(57.2%)、「不動産業」(58.0%)の順。なお、連結法人の赤字法人割合は34.7%(前年33.4%)とかなり低い。

2018年度分の営業収入金額は、前年度に比べ1.9%増の1547兆7854億円と3年連続の増加。黒字法人の営業収入金額は同2.6%増の1269兆268億円と3年連続の増加、所得金額は同2.7%増の69兆7456億円となり、4年連続で過去最大を更新し、9年連続の増加。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は、前年から横ばいの5.5%となった。黒字法人の業種別の所得率をみると、「鉱業」(16.0%)、「金融保険業」(10.6%)などが高い。

法人税額は12兆1638億円で、前年度より1.6%増加し、2年連続の増加となった。また、所得税額控除は4兆2578億円で、同20.0%増と2年連続の増加、外国税額控除は6126億円で、同14.6%増と2年連続で増加した。また、繰越欠損金の当期控除額は8兆4461億円で、同1.0%増と2年連続の増加。翌期繰越額は63兆3648億円で、同▲8.2%減となり、4年ぶりの減少で、低水準が続いている。

一方、2019年3月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などに使った交際費は、前年度に比べ4.0%増の3兆9619億円と7年連続で増加したが、過去最高だった1992年分の6兆2078億円に比べ約36%減少している。このうち、税法上損金に算入されなかった金額(損金不算入額)は同3.9%増の1兆487億円と4年連続の増加となり、損金不算入割合は同横ばいの26.5%となったが、5年連続で20%台の低い水準だった。

同標本調査結果の概要は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0020005-047.pdf