国税審判官として税理士など民間専門家16名を採用

国税不服審判所は、10日付で国税審判官(特定任期付職員)として16名を採用したことを明らかにした。特定任期付職員の採用は、民間人材採用の円滑化を図るため、公務に有用な専門的な知識経験等を有する民間専門家を任期を定めて採用し、高度の専門的な知識経験等を有する者についてはその専門性等にふさわしい給与を支給できるよう、2000年11月に制定された任期付職員法に基づくもの。審判所では2007年から実施している。

国税審判官の採用は、近年の経済取引の国際化、広域化、複雑化を背景とする事件が増加するなか、適正・迅速に処理できる高度な専門知識・経験・ノウハウを有する弁護士、税理士、公認会計士、大学の教授や助教授の職にあった経歴を有し、国税に関する学識経験のある者を採用することにより、公正・中立な不服審査機関としての組織の独立性を高めるためで、初年度の2007年度の4名以来、2018年度までに延べ355名が採用されている。

2020年度の採用では、応募者98名の中から書類選考と面接を経て16名(男性14名・女性2名)が採用された。民間専門家の内訳をみると、弁護士9名、税理士4名、公認会計士3名となっている。採用された16名は、東京・大阪の両支部に各3名、名古屋・高松の両支部に各2名、仙台・関東信越・広島・福岡・熊本・沖縄の6支部に各1名が配属された。この結果、7月10日現在の審判所支部の特定任期付職員は50名となっている。

特定任期付職員の雇用期間は2年間又は3年間(更新の可能性があり最長5年間)、給与は年収840万円から1020万円程度。職務内容は、審査請求事件の調査及び審理のため、個別事件ごとに担当審判官又は参加審判官として、求釈明・質問・検査・証拠収集等を自ら行い、かつ、審査官等へ指示などを行うことや、調査・審理の推進のため、事件の進行管理を行うとともに的確な事実の認定及び税法等の解釈を行うことなどとなっている。

なお、2019年10月1日付で1名を新規済みとなっており、10月以降の在籍者数は50名となっている。また、2021年度の採用公募は2020年8月3日から10月23日までとなっており、提出された履歴書等により、書類選考を行い、その結果を2020年11月中旬頃に連絡し、書類選考合格者には、別途、面接日時等を書面で連絡する。面接試験は、2021年1月12日、13日に審判所本部(財務省本庁舎4階)において実施する予定だ。

この件については↓
https://www.kfs.go.jp/topics/r02/pdf/shinpan_saiyo.pdf