2020-08-07
2020年10月1日に酒税率が改正され、酒税率の引上げ又は引下げが実施される。通常、酒類は製造場から出荷された段階で酒税が課されるが、酒税率が改正される酒類に対しては、10月1日の午前0時時点で流通段階にある課税済みの酒類に対して、新旧税率の差額を調整する措置が行われる。国税庁は、全ての酒類の販売業者等は、10月1日時点の対象酒類の在庫数量を確認する必要があるとして注意を呼びかけている。
つまり、酒税率が引上げとなる酒類に対しては、その差額について課税が行われ、逆に酒税率が引下げとなる酒類に対しては、その差額について手持品課税(戻税)が行われる。申告が必要となる事業者(酒場・料飲店等の経営者も含む)は、課税額と戻税額を差し引きした結果、課税額が多い場合は納付、戻税額が多い場合は還付の申告を2020年11月2日(月)までに行う必要がある。
申告が必要となるのは、10月1日に、税率改正により酒税額が引き上げられることとなる酒類を販売のために所持する酒類の販売業者等で、その所持する引上対象酒類の数量(複数の場所で所持する場合には、その合計数量)が1800リットル以上である場合。また、これに該当しない販売業者等で、新旧税率の差額を計算した結果、引下げ額が多く、その差額の還付を受けようとする場合に申告が必要になる。
上記に該当し、 手持品課税(戻税)の対象となる場合は、 確認した10月1日(午前0時)時点の対象酒類の在庫数量を基に、引上対象酒類を所持する貯蔵場所ごとに新旧税率の差額を計算し、それぞれの貯蔵場所の所在地の所轄税務署長に、2020年11月2日までに 酒税納税申告書を提出する必要がある。なお、差額の納付が必要となる場合は、2021年3月31日までに納付が必要となる。
ちなみに、引上対象酒類には、いわゆる「新ジャンル」(缶1本(350ミリリットル)当たり9.8円の引上げ)、「果実酒」(ボトル1本(750ミリリットル)当たり7.5円の引上げ)。また、引下対象酒類には、「ビール」と「発泡酒(麦芽比率50%以上)」(缶1本(350ミリリットル)当たり7円の引下げ)、「発泡酒(麦芽比率25%以上50%未満)」(同3.85円の引下げ)、「清酒」(ビン1本(1800ミリリットル)当たり18円の引下げ)などがある。
この件については↓
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/annai/temochihin_r02.htm