2016-12-08
2016年度税制改正において、加算税制度について、(1)加算税の賦課割合の変更、(2)加算税の過重措置の創設、という2点の見直しが行われている。いずれも来年2017年1月1日以後の法定申告期限が到来する国税について適用されるので改めて見直しの内容を確認し、注意したい。なお、今回の改正では、過少申告加算税・無申告加算税・重加算税を対象とし、不納付加算税については見直しの対象にはされていない。
加算税の賦課割合の変更については、調査通知以後かつ更正予知前にされた、修正申告に基づく過少申告加算税について、改正前は不適用だったものが、改正後は5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)、また、調査通知以後かつ更正予知前にされた、期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税について、改正前は5%だったが、改正後は10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%)とされた。
加算税の過重措置の創設では、期限後申告や修正申告(更正予知によるものに限る)、更正、決定等があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について無申告加算税(更正予知によるものに限る)又は重加算税を課されたことがあるとき(以下「一定の場合」)は、その期限後申告等に基づき課する両税の課税割合にそれぞれ10%加重する制度が創設された。
具体的には、期限後申告等に基づき課される無申告加算税(一定の場合に限る)は、改正前の15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%)から、改正後は25%(納付すべき税額が50万円を超える部分は30%)、また、期限後申告等に基づき課される重加算税(一定の場合に限る)は、改正前の過少申告加算税・不納付加算税が35%、無申告加算税が40%から、改正後は同45%、同50%とされている。
この過重措置は、加算金制度(地方税)における不申告加算税及び重加算金についても、同様の見直しが行われている。なお、財務省では、加算税の過重措置の創設について、「これまでの無申告加算税又は重加算税の水準(割合)にあっては、無申告又は仮装・隠ぺいが行われた回数にかかわらず一律であるため、意図的に繰り返すケースも多いことから、悪質な行為を防止する観点から、10%加重する措置を創設した」と説明している。