2020-09-17
2017年度税制改正における酒税法改正に伴い10月1日から、いわゆる「新ジャンル」の発泡性酒類や「果実酒」の酒税率が引き上げられ、「ビール」や「発泡酒」、「清酒」などの酒税率は引き下げられるなど、酒税の増減税が実施される。これを前に、国税庁は、課税部酒税課長名で「酒税法の改正に伴う増減税相当額の適正な転嫁等について」と題した要請文を酒類を製造・販売する事業者団体宛に発信した。
具体的な要請内容は、酒類の価格は自由価格であり、酒税法の改正に伴う価格改定については、個々の企業の自主的な判断により決定されるものであるとした上で、「酒税が最終的に消費者負担を予定している税であることから、その税率の引上げ又は引下げ相当額は、原則として販売価格の引上げ又は引下げを通じて適正に転嫁されるべきものである」として、適正な価格転嫁を行うよう求めている。
また、酒類の価格改定に当たっては、合理的な価格の設定など基準等を遵守した取引を行うとともに、優越的地位の濫用といった不公正な取引方法など独占禁止法の規定に抵触することのないよう十分配意するとともに、「特に、価格改定に際しての取引条件の決定については、売り手と買い手の間であらかじめ十分な協議を行うことが重要である」として、公正な取引を行うよう要請した。
なお、国税庁では、改正酒税法施行前後の市場動向及び取引関係を注視するとともに、酒類の取引状況等実態調査を実施し、同調査により問題のある取引が認められた場合には、「酒類の公正な取引に関する基準」及び「酒類に関する公正な取引のための指針等」などに照らして厳正に対処することとしている。