2020-10-14
ゴルフ場利用税について、文部科学省は2013年から昨年まで8年連続して廃止等を要望していたが、2021年度改正に向けては、スポーツを行う中で唯一ゴルフのみに課税されている「ゴルフ場利用税」の在り方を見直すことを要望した。同省は、要望理由として、スポーツの中で唯一、ゴルフにのみ課税されている状態であり、他のスポーツと同様に課税対象とすることなく、公平に行える環境を整えることが目的とした。
ゴルフ場利用税の前身は、1940年に国税として導入された入場税だが、その後、1954年にパチンコ店やマージャン店などとともに「娯楽施設利用税」という地方税となった。さらに1989年の消費税創設に際して、国税の入場税は廃止され、娯楽施設利用税も、パチンコ・麻雀・射的場などの利用に係るものは廃止されたが、ゴルフ場の利用行為に対してだけは「ゴルフ場利用税」と名称変更して存続した。
2021年度税制改正要望においては、2003年度のゴルフ場利用税の一部非課税措置の導入以来、非課税措置適用者は約411万人(2003年度)から約1802万人(2018年度)に、総利用者数に占める割合は4.6%(2003年度)から21.23%(2018年度)に増加しており、ゴルフ場利用税の在り方を見直していくことはゴルフ場利用者の増加に効果があり、スポーツ実施率の向上及びゴルフの振興につながるとの効果見込みを挙げている。
また、ゴルフ場利用税が廃止された場合、ゴルフのプレー回数増やゴルフ用品の購入など、廃止分をゴルフ関係に活用すると回答したゴルファーは85%だった、とのゴルフダイジェスト・オンラインによるアンケート調査(2016年度実施)を提示し、非課税となったプレーヤーの多くは、こうした形で活用することが想定され、ゴルフ場利用税の在り方を見直していくことによる、一層のゴルフ振興を期待している。
税制改正要望の背景には、ゴルフ人口やゴルフ場の減少がある。国内のゴルフ人口は1991年の約1700万人から2016年の約890万人に、若い世代を中心に半数近く減少し、ゴルフ場は2012年度の2460ヵ所から2018年度の約2249ヵ所に減少している。文科省は、ゴルフ場の閉鎖を防止しゴルフ場を活用した地域の振興を図るとともに、ゴルフ人口の増加の方策を検討する必要があるとの考えを示している。
文科省の税制改正要望は↓
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/r03_youbou07_mext.html