調査日数は1〜2日で終了が約7割〜東京会調査

東京税理士会(西村新会長)が実施した2016年度「税務調査アンケート」結果(有効回答数1676会員)によると、(1)事前通知の実施状況、(2)無予告調査、(3)調査件数、調査内容及び調査日数、(4)調査結果、重加算税処分、(5)調査官の態度などを聞いたところ、対象期間(15・7~16・6)に2157件の税務調査があり、このうち「税務代理権限証書を提出しているにもかかわらず納税者のみに通知があった」が117件(5.4%)だった。

通知がなかった無予告調査件数は93件(4.3%)で、このうち「臨場後速やかに国税通則法の手続きに則り、納税者の理解と協力を得て調査が行われたもの」が82件(88.2%)だった。無予告調査は、納税者の負担が特に大きいことから、東京会では、「正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがあるとき」又は「調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」以外は避けることを求めている。

回答のあった調査件数2204件の内訳は、「法人税(消費税含む)」が1726件、「所得税(同)」が268件、「相続税(含む贈与税)」が146件、「消費税(単独調査)」が34件、「その他国税」が30件。調査内容は、「帳簿・証憑」が1862件(84.5%)で大半を占めているが、他の調査内容については、(1)「現金・預金」(24.9%)、(2)「机・書庫・金庫」(9.4%)、(3) 「パソコン等」(9.4%)などの順となっている。

調査日数については、2204件中、「1日」で終了したものが446件で20.7%(前年比1.1ポイント増)を占め、「2日」が1069件で49.7%(同0.6ポイント%増)と、1〜2日で終了したものが全体の約7割(70.4%)となっている。そのほか、「3〜4日」は392件で18.2%(同1.3ポイント減)、「5日以上」が243件で11.3%(同0.4ポイント減)と、5日以上の割合は昨年同様1割強となっている。

調査結果については、回答のあった2089件のうち、「申告是認」が530件で25.4%、「修正申告」が1496件で71.6%、「更正」が63件で3.0%。修正申告・更正1559件のうち、「重加算税処分」となったものは、229件で23.2%だった。なお、調査官の態度として、「良い」が43.9%(昨年度42.6%)、「悪い」が7.7%(同8.5%)、「普通」が48.4%(同48.9%)で、昨年度と同様、「良い」と「普通」で9割以上という結果となった。